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第39回いわき民報賞 小野恵美子さんの横顔

2009年11月19日(木)更新
小野恵美子
地域の文化や産業、スポーツ、福祉などの分野に貢献した市民を顕彰する「第39回いわき民報賞」(本社主催)は、舞踊家として活動する小野恵美子さん(65)=平南白土=が受賞する。バレエ、フラメンコ、フラダンスの教室を主宰し、指導に心血を注ぎ、舞踊の素晴らしさを伝え続ける小野さん。45年にわたり、舞踊家として活躍する小野さんの横顔を上下で紹介する。

2006年に上演された映画「フラガール」は、常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)の誕生から成功の秘話を描いた。人々の感動を与え、数々の映画賞を総なめにしたことは記憶に新しい。登場人物の1人、女優蒼井優が演じたフラガール谷川紀美子のモデルは小野さんだ。

旧常磐炭砿(現・常磐興産)の労務で働く父と母の元に昭和19年、内郷内町で生を受けた小野さん。「体にダンサーとしての何かが、刻み込まれていたのかも」と話すように、音楽を聞けば踊る女の子だったという。

映画で紀美子はまったくの素人として描かれていたが、実際の小野さんは昭和28年、小学2年のときにクラシックバレエを習い始めた。これが、自分の一生を左右するとともに、生涯の師にも引き合わせてくれた。

同社の中村豊常務(当時)が、情操教育のためにと開設したバレエ教室へ飛び込んだのがきっかけだった。講師は、いわき出身で、SKD(松竹歌劇団)の講師などを務め、スペイン国王から勲章を授かるなど、一流の表現者として活躍する香取希代子さんだった。

背筋が伸び、茶色の髪の毛に、洗練されたしぐさ、話し方、語学力。魔法のような舞踊の動きは、「まさにハイカラな都会の女性で、あこがれの存在だった」。いつか香取先生のように、その一心で練習に励み、舞踊がない人生が考えられないほどにのめりこんだ。

レッスンは高校まで続き、卒業後も何とか香取先生のレッスンを受けたかった。悩んでいたところ、周囲の薦めもあり、常磐炭砿東京本社の入社試験を受験、見事合格し、時を同じくして父親も東京へ転勤の命が下り、一家で東京へ移住した。

みんなから愛された、炭坑(ヤマ)育ちのOL。「ヤマのなまりが抜けず、それが『なつかしい』と言って、みんながかわいがってくださった。本社のアイドルだったかも」と大笑いする。

楽しかった東京勤務3年目の昭和40年、思わぬ形で故郷に舞い戻ることに。忘年会の余興で披露したダンスが中村常務の目に留まり、人事課から、同41年4月にオープンする常磐ハワイアンセンターで、タヒチアンダンスやフラメンコなどをやってほしいと打診された。

「あんなに東京に来たくて来たのに、まさかこういう形で戻るとは思わなかったし、自信もなかった」。それもそのはず、フラダンスやタヒチアンダンスは未知の世界だった。

だが、背中を押したのはほかの誰でもなく、香取さんだった。「エミちゃんだったらできる、という言葉がうれしかった」、尊敬する師の言葉に、新たな一歩を踏み出すことを決意した。

同40年4月。東京から1人故郷へ戻り、設立された同センター附属常磐音楽舞踊学院へ第1期生として入学し、寮に身を置いた。小野さんにとって、大きな人生の転機が訪れた。

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