常磐亭ハワイの だから落語は面白い!
2010年11月15日(月)更新
二十九席目「親 子 酒」
*忘 年 会*
アロハ~、 常磐亭ハワイでございます。
朝晩、すっかり寒くなってまいりました。寒い日には鍋を囲んで、熱燗(あつかん)で1杯飲みたいものです。
忘年会の幹事さんは日程と場所探しで頭を痛めていることとお察しいたします。
酒の席で、「酔いました」と言っている方は良いのですが、「酔ってない」と大声で騒ぐ方は相当酔っているのであります。
楽しいお酒を飲みましょう。
ある大店の大旦那(だんな)と若旦那、親子そろって大酒飲み、毎晩2人で大宴会。
ある日、若旦那が酒の上でお客と喧嘩(けんか)になり、それを聞いた大旦那が、「私も辞めるからお前も辞めろ」と、2人で禁酒の約束をした。
2~3日は我慢出来たが、2週間過ぎた寒い晩、若旦那が用事で出かけたすきに、「お~い、お前、今夜は冷えて体がぞくぞくするので、なにか体の温まるようなものはないか?」。
「くず湯はどうです」
「そうじゃなくて、体の芯から温まるあの良い香りの…」
なんとか拝み倒して、ひや酒を1杯飲ませてもらう。うれし涙を流しながらちびりちびりと飲んだが、あっという間になくなった。
これで満足できるわけがなく、女房に涙ながらに訴えた。
「わたしは倅(せがれ)と違い、老い先短い。今日だけ酒を飲ませてくれ。倅が帰って来る前に布団に入って寝てしまうから」
もう1杯、もう1杯とエンドレス。ベロベロになっているところに息子が帰ってきた。
「ただいま」と、大きな声で入ってきた若旦那も体がフラフラ。どうやら注文を取りに行った先で酒を勧められ、相当飲んできた。
大旦那は焦点の定まらない目で睨(にら)みつけ、「おい倅、わしとの約束を破って、また酒を飲んだな。そんなことをしているから体に毒素が回り、頭が3つも4つも出てきてるわ。そんな化け物にこの店は譲れん」。
「だれがいるか、こんなぐるぐる回る店」
お酒はほどほどに。
おあとがよろしいようで…。