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片隅抄

2022.08.02

2022年08月02日(火)更新
人生の中で、絶句する出来事と出くわすことはなかなかない。避難した建物が灰色の津波に飲み込まれたとき、原発事故でメルトダウンの一報を耳にしたときは、絶句した▼先日、ようやく訪れることができた宮城県牡鹿郡女川町で再び言葉を失った。石巻市から海岸線を車で30分。大きな水産加工会社の建物を右手に小高い山を越え、真新しい市街地に向かって坂を下る途中、「津波浸水高」の表示を見て目を疑った▼女川町によると、海抜16㍍に建つ町立病院の1階天井近くまで津波が押し寄せた。最大浸水高は7階建てビルに匹敵する20・3㍍。町全体が〝飲み込まれた〟ことが良く分かる。リアス海岸の入り江に形作られたことが被害を大きくした▼仕事柄、実際に見聞きしたものだけを咀嚼する癖がある。震災報道に長く携わってきたからこそ、女川訪問は〝マスト〟だった。石巻の旧大川小にも足を運んだ。より多くの市民、特に若い世代に訪れてほしい場所だ。
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