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片隅抄

2020.1.4

2020年01月04日(土)更新
漁師が森を育てる、という。いささか逆説的だが、地表に降り注いだ雨を森がいったん葉や肥沃な土壌にたくわえ、ミネラルなど養分たっぷりの水にして川を経由して海へ注いでいく。その栄養で魚や貝が育つというわけだ▼しかし森は今、林業に携わる人の高齢化や後継者不足によって人の手が入らず荒廃し、のみならず、宅地開発や昨今の風力発電用巨大な風車建設などによってその機能を失うばかりか、大雨時には大規模な土砂崩れを引き起こす▼一方の海も、原発事故から10年近くなるというのにいまだ風評被害は消えず、常磐沖では震災前の漁の姿までには戻っていない。そこへもってきて原発処理水の海洋放出が論議されてるありさまだ▼森と海ばかりか、この2つをつなぐ河川もまた水害の危機をはらむ存在としてクローズアップされた。梅雨の季節まで半年余り。そして夏から秋にかけての台風襲来。昨年のあの悲劇を繰り返さない、万全の対策が急がれる。
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