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片隅抄

2019.12.5

2019年12月05日(木)更新
若い頃、プロレスのカメラマンをしていた。そのことを人に話すと「あれって、本当にやってるの?」と、必ずといっていいくらい同じことを聞かれる▼先日も、散髪に行った時に店主に聞かれたばかりだ。肝心の答えだが、演出はあるものの、やらせではないといつも答えている▼先輩記者から聞いた話だが、力道山が、シャープ兄弟との激闘を繰り広げていた頃、彼らから、首元に炸裂する空手チョップが想像を絶するほど痛いという苦情があったそうだ。見た目には痛そうに見えないがダメージが大きいということらしい。そこで、考えられたのが水平チョップ。胸元にあたる音が痛そうに感じられ、以後それが主流となったらしい▼だからといってそれがやらせとは言えない。トレーニングで強靱(きょうじん)な肉体をつくり、厳しい練習によって成り立つもの。今や地上波では放送されなくなったプロレス。かつて取材という立場だがそこに身を置いていた者として、寂しい限りだ。
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