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片隅抄

2019.05.11

2019年05月11日(土)更新
土佐藩は江戸時代、藩士に「上士・郷士・下士」という厳しい身分制度を設けて統制に当たった▼戦国時代まで土佐を中心に勢力を伸ばしていた長宗我部氏に代わり家康からの恩賞で山内一豊が藩主としてやって来たが、長宗我部氏を強く慕う一領具足たちがいてその抵抗を抑えるためだった。吉田東洋や後藤象二郎は上士、坂本龍馬は下士の中でも身分が上の郷士だった▼東京・池袋で乗用車を暴走させて母子2人を死なせた87歳の旧通産省工業技術院元院長を語るとき、〝上級国民〟という聞きなれないワードがひとり歩きした。平成から令和にかわった今もそんな肩書(身分)が残っていたとは知らなかった。ならば抄子などは下級国民のカテゴリーに入るのだろう▼どうも耳触りがよくない〝上級国民〟だが、居酒屋で一緒になった女郎が「人並みに扱っていただいて…」とうれし泣きするのにこたえて鬼平こと長谷川平蔵は言う。「人じゃねえかよ、俺もお前も…」
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