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片隅抄

2017.10.07

2017年10月07日(土)更新
「面白くないね」と言ったのは日米を股にかけて活躍するイチローだ。メジャーではスピードアップのため、敬遠四球は申告すれば1球も投げずに成立する▼ところが、敬遠四球にはドラマチックなエッセンスが多分に含まれる。小林繁投手(阪神)は敬遠したボールが暴投となりサヨナラ負けを喫し、その阪神の新庄剛志選手は敬遠のボールを打ってサヨナラ勝ちを呼び込んだ▼新人で20勝を挙げた年の上原浩治投手(巨人)は本塁打王争いに巻き込まれて無走者の場面で敬遠を指示され、人目をはばからず悔し涙を流した。松井秀喜選手(星稜高)の5連続敬遠の甲子園伝説も、無投球の申告では生まれなかった。あの長嶋さんはバット持たずに構えて抗議したっけ▼勝負どころの場面で、打者から遠く4球のボールが放たれる間に投手と打者、あるいは観客との間でさまざまな思いが交錯する。イチローには、その醍醐味をなくす合理的な解釈が不満だったのだろう。
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