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片隅抄

2016.05.30

2016年05月30日(月)更新
小学から大学時代まで、何人かの友人と文通をしていた。届く封書の表書きだけで、すぐに誰からの手紙か分かった▼また、入社し最初に配属されたのは校閲課。幾人もの記者の手書き原稿に触れ、それぞれの字の特徴から、誰が書いた記事か判断した。大柄な体躯の持ち主が端正な文字を書いていたり、細やかな神経の人が思いのほか悪筆だったりといった〝発見〟もあった▼ここ数年の間に知り合い、親しくしている友がいるが、先日、その友が書いた字を一度も見たことがないことに気付いた。そう、連絡等は全て、メールか直接本人につながる携帯電話。手紙を送ることもないから、家は知っていても、住所は知らない。それでも不便はない▼だが、これでいいのだろうかと、不安になった。今、SNSによって人同士がいつでもどこでもつながっている時代。しかし、いったい相手の何を知っているのか。つながっていると思っているのは、幻想なのかもしれない。
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