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片隅抄

2014.08.29

2014年08月29日(金)更新
中里介山未完の大作『大菩薩峠』。読書に挑んだことはないが、市川雷蔵主演の同名映画は見た。剣士机竜之介が偶然出会った巡礼の老人を斬り殺す場面が印象にあるが、ストーリーが複雑で全体の記憶がやや薄い▼本紙の連載小説「ヤマンタカ―新伝・大菩薩峠―」が始まった。初回から夜な夜な市中に出没する「漢」が腕に覚えのある武士を相手に辻斬りを仕掛けていく。今後、作者の夢枕獏さんは独自の視点でこのキャラクターに取り組むという▼日本では、つい150年前ごろまで帯刀した人間が時に他人を殺傷してきた。辻斬りという暴挙も、現代では「通り魔」のようなものだが、最近では人間に限らず動物も被害に遭っている▼先日、さいたま市内で盲導犬が何者かに刺され、けがをした。この犬、厳しい訓練を受けたため、鳴き声も上げなかったという。無意味な殺生を行った机竜之介はのちに闇の世界をさまよう。心貧しき輩も心しておくべきだ。
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