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片隅抄

2014.03.24

2014年03月24日(月)更新
梅の花が開き、南からは桜の便りが届き、冬もようやく去りつつある。が、わが庭で毎年春の訪れを告げてくれてきた椿が、今年は1輪も咲かない。3年前、津波にどっぷりと漬かった椿だ▼翌春は、例年通り多くの花を付け安心していたが、昨年になったら一気に減り、咲いたのは10輪ほど。そして今季はゼロ。葉や幹、枝の様子を見ても最早、再生は難しそうだ。樹齢50年の椿も津波には勝てなかった▼思えば同じように津波に遭った黒松も昨年枯れた。椿も黒松も塩害には強いそうだが、津波とあれば通常の塩害のレベルを超越しているので仕方もあるまい。ただ2~3年掛けてじわじわと生命力を奪われていった樹木たちを見て「人間は?」と考える▼どんなに復興が進みハード面が整備されても震災禍はずっと心に残り、私たちはそれと共に、またそれを教訓として暮らしていかねばならない場所に生きている。そんなことを枯れゆく木々からあらためて思い知らされた。
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