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片隅抄

2013.04.06

2013年04月06日(土)更新
地元の子どもたちのためにボランティア活動を続けているお年寄りが嘆いていた。「毎日のように顔を合わせているからそろそろ名前を覚えようかと思ったんだ」▼十把ひとからげに男の子を〝ぼく〟、女の子を〝おねえちゃん〟と呼ぶよりよほど気が利いている。「で、名札を見ようとしたんだけどさ……」。その女の子はとっさに名札を手で隠したという▼昨今のニュースでもわかるように、お巡りさんだから、学校の先生だからといって信用していいという時代ではなくなった。自分のプライバシーを守るという点で彼女がとった行為は正しい。そういう自己防衛のノウハウを家庭で受けていたのかもしれない▼しかし、そう話すお年寄りのさみしそうな表情を見ていると、少し複雑だ。代償として失ったものは何だろうか。不用意に近づいてしまって子どもから引っぱたかれたこともあるとか。それでも「地域の子どもたちのために」とボランティアを続けるという。
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