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片隅抄

2012.07.23

2012年07月23日(月)更新
「初めての通知表にそわそわ」1学期の終業式を伝える20日付記事に、小学時代が蘇る。思えば通知表は神聖なものだった▼先生から恭しく受け取り、そっと開いて見た後は、折り曲げぬよう注意し鞄に入れ、帰宅したら真っ先に親に差し出す。社会には、物質的価値とは別に大事に扱うべきものがあると知るきっかけにもなった▼そう導いてくれたのは、担任の先生だ。入学式での「先生は学校でのお母さん」の言葉通り、成長過程において勉強から生活態度まで多くの教えを受けた。親以外で本気で叱ってくれた初めての人でもある。黒板を見ているだけで背筋が伸びるような、端正な文字が懐かしい▼その筆跡に先日不意に「再会」した。帰宅し郵便受けを開けると一葉の紙片―津波で被災したわが家のその後を案じ、恩師が訪ねてくれたのだった。震災直後にも何度も様子を見に来たとも記されていた。80歳を迎えてなお、教え子を気遣う「母心」に心底頭が下がった。
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