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片隅抄

2012.03.19

2012年03月19日(月)更新
菩提寺では法要の際に、住職の読経の後に参列者全員で般若心経を唱える。久々に会う親族らが、声を合わせ経を読む。日常の中では、心の端の方に行ってしまっている死者が結ぶ縁を、あらためて感じる時間でもある▼震災後、身近な人を失い、死者を意識して日々を過ごす人が増えている。「大切な人が他界したことでその人との間に、生前とは違う新たな関係が再び始まる」という話を聞いた。死んだ人を思うことで自分の生き方を見つめ直すケースも多い▼ただ今のいわきには、自由のきかない避難生活で思い通りの供養ができずにいる人も少なくない。津波で仏壇や位牌を流された例は何件も耳にした。また仮設や借り上げ住宅だと、「仏壇を置く場所が無い」「貸主に気兼ねして仏壇を置かない」こともある。中には、墓が倒壊したが直せずにいる人もいる▼明20日は春分の日。祖先を供養する春彼岸の中日でもある。旅立った人々に手を合わせ、静かにしのびたい。
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