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片隅抄

2012.01.16

2012年01月16日(月)更新
今年ほど新成人の誓いに強さを感じた年はない。「地域のため人のために役立つ大人になりたい」は震災を体験してこその言葉で、本心から発せられたと信じることができる▼かつて、神戸市の「人と未来防災センター」を訪ねた。阪神・淡路大震災の展示・資料館だが、震災で街が破壊されていく状況を、映像や音響でリアルに再現するさま等がすさまじかった。好意で案内してくれた地元の人が、途中で正視できなくなり、目頭を押さえた姿が忘れられない▼しかし一旅行者の当方にとって、それはやはり「対岸の火事」だった。その人の心の奥まで思いが及ばず「大変でしたね」と、通り一遍の言葉しか出ないばかりか、体験談を聞こうとさえした▼今なら分かる。家やまち、身近な人を失うことがどれほどの悲嘆か。そして思う。つらい体験さえ無駄ばかりではない。それを通して、他人の心の分かる若者が増えれば未来は開ける。新成人の誓いがあらためて心に染みた。
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