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片隅抄

2011.07.11

2011年07月11日(月)更新
 災害時の持ち出し品といえば、非常食に水や現金、薬品、ラジオ、懐中電灯など生活に最低限必要なものだが、これに加えて「位牌」を挙げる人も少なくない。今回の震災でも、位牌の持ち出しを問う場面に何度も出合った▼また、仏壇に手を合わせるのが朝の日課という話はよく聞く。その背景にあるのは信仰心、そして先祖や他界した肉親への思慕や感謝であり、何よりそれらを大事にしているからにほかならない▼このように、人は結局、物心双方をよりどころに、つまり日々を生きる両輪としている。だから、たとえ衣食が足りても、信じていたものを失ってしまえば、生き抜くことは難しくなる。そして今回のような四重苦ともいえる災害では、心的よりどころの比重はさらに高いだろう▼なのに被災地区では、位牌も仏壇も持ち出せず、それを苦にしている人も少なからずいる。そんなときに、真言宗智山派の会による仏壇提供の報を聞き、心休まる思いがした。
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