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片隅抄

2011.06.20

2011年06月20日(月)更新
 仏人作家ジャン・ジオノの『木を植えた男』は、荒野を豊かな森と村に変えたある男の物語。ドングリを1つずつ丁寧に植え込む行為を、限りない熱意と努力で30年以上続けた結果、大地が息吹き、人々に健全で幸せな生活をもたらしていく▼その内容は、震災からの復興に向かう今、1つの道標でもあろう。美しい森が形成されることで、人の心も前向きになっていく過程に、自然を大切にしながら長い時をかけてのまちづくりの大切さを教えられた▼ところでこの時期、例年ならまちをきれいにする市民総ぐるみ運動が済み、市全体に端然とした感が漂っている。が、今年は沿道も雑草だらけ、被災地区のがれき処理もままならない状況ゆえ、仕方がないというべきか▼そんな中、幹線道路の工事現場わきに、関係者の配慮か、赤や黄色の花のプランターが並んでいた。路面の隆起・陥没など震災の傷跡ばかりを見ていた目に、命を感じさせる明るい色が優しく入ってきた。
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