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片隅抄

2011.01.22

2011年01月22日(土)更新

 今の仕事を始めたころ、取材用カメラはまだフィルムの時代で、どんなふうに写っているかは現像してからでないとわからなかった▼今なら違う。撮ったらすぐモニターで画像を確認できるし、画質を落とせば残り枚数は増える。写真屋さんに持っていかずに自分でプリントでき、加工も、保存も、画像のやりとりもパソコンで可能だ▼しかし便利さと引き換えに、1回のシャッターを押す緊張感や1コマの写真に対するこだわりは薄まったように思う。それは被写体をじっくり見ることで養われる〝感性〟と置き換えてもいい▼書店にせよ図書館にせよ、本に囲まれていれば幸せなほど本好きの抄子だが、はやりの電子書籍には抵抗感がある。たぶん便利なコンテンツがたくさんあるのだろう。しかし、本独特の匂いやページをめくる手の感覚がなくなり、ディスプレイに表示された文字を目で追うだけの読書。便利さの陰でここでも何か大事なものを失うような気がする。

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