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片隅抄

2010.10.30

2010年10月30日(土)更新
 今から20年以上も前は、「○○さん宅では裏山から下りてきたタヌキの親子に食べ残しのエサを与えて、人と動物の交流が行われている」というような記事がしばしば載っていた▼実にのどかな時代だった。今は違う。クマやサルが街の中に出現して人を傷つけたり農作物を荒らした揚げ句、射殺されるというせい惨な記事が続いている。タヌキたちはといえば、あちこちの道路で車にはねられ、轢死体となって無残な姿をさらしている▼異常気象に加えて、無秩序な自然破壊の結果が人間と動物との棲み分けのバランスを崩している。本来、われわれの目に触れることの少ない動物が街中に姿を現すことの不自然さを肝に銘じなければいけないはずだ▼山あいのわが家では、クマこそ出現しないものの、蛇やムカデが部屋に上がり込むことがある。山から木々が消え、はげ山はやがて造成され崩される。棲みかを失った動物たちの声なき声を、われわれはどう聞くのだろう。
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