2021年2月10日(水)

■<新型コロナ>いわき市は5日連続ゼロ 県内の病床占める割合も3割未満続く

県は10日、いわき市では9日、新型コロナウイルス陽性者はなかったと発表した。5日連続でのゼロとなる。累計は242人。県内全体では新たに6人が確認され、合わせて1794人となった。入院者(予定含む)は131人で、確保病床数469床に対し、占有率は27・9%と、政府の分科会が示す感染状況のうち、4段階中3番目のステージ3(感染急増)の指標の一つ「確保病床の25%以上」を越えているが、4日続いて3割を下回った。

■市の来年度当初予算案が発表 コロナ禍踏まえた内容に

清水市長は10日、市の令和3年度当初予算案を発表し、一般会計の総額は1400億6268万9千円(前年度比89億1620万5千円、6・0%減)と明らかにした。前年度まで2年連続で前年度を上回っていたが、震災後最少となった平成30年度以来、3年ぶりの減少となった。東日本大震災や令和元年東日本台風を経験し、新型コロナウイルス感染症の危機に直面する中、ウイズコロナやアフターコロナを意識しながら、限られた予算を有効活用し、しなやかな回復力や復元力を供えたまちづくりを進める。

次年度の当初予算案には、新型コロナウイルスの感染症対策関連経費として、11億1169万2千円を計上。主な内訳は感染症予防対策費として、4億5382万5千円、感染症医療費は1億4714万5千円、市独自の飲食店などで感染者が確認された際、店舗利用者に感染確認情報を電子メールで通知する「あんしんコロナお知らせシステム」の運用事業として、8479万8千円を充てる。

一方で主な歳入面のうち、これまで好調だった市税は488億6396万8000円(同22億4739万9千円、4・4%減)とコロナ禍が直撃。個人市民税は152億1148万5千円(同10億9956万5千円、6・7%減)、法人市民税は25億7926万1千円(同15億1866万2千円、37・1%減)と、いずれも前年を下回った。

写真は、令和3年度当初予算案を発表する清水市長=10日(クリックで拡大)

■平字田町の一部「平並木の杜」に 再開発で新たな字名

市は10日、18日開会予定の市議会2月定例会に対し、令和3年度当初予算案をはじめ、計64議案(追加提案含む)を提出すると発表した。このうち「字の区域の画定について」として、いわき駅並木通り地区市街地再開発事業に合わせ、平字田町の一部を新たに「平並木の杜(もり)」と改称する方針を示した。

市によると、事業区画は約1・1ヘクタール。「街区1」にあたる商業・業務・サービス棟は4階建て、「街区2」の一般・シニア向け分譲マンションは21階建て(217戸)を予定。沿道にはプロムナード、市民の憩いの場となる広場を2カ所に整備し、「街区2」の北側に、乗用車364台・自転車661台収容可能な5階建ての立体駐車場・駐輪場が設置される見通し。令和4年度末の完工を目指す。

■常磐共同ガス社長の猪狩氏出馬へ 市長選

9月27日の任期満了に伴う市長選に向け、常磐共同ガス社長の猪狩謙二氏(58)=常磐、写真=は10日までに、立候補の意思を固め、調整を進めている。猪狩氏は「産業基盤の底上げのため、バッテリーバレー構想推進と企業誘致を図り、地方創生による所得向上を目指す。さらに医療の充実、子育て世代が安心して暮らせ働くことができる社会構築に身命を賭(と)したい」と述べた。

猪狩氏はいわき市常磐出身。平工業高卒。昭和56年、常磐共同ガスに入社。取締役常務兼業務本部長を経て、平成23年、代表取締役社長に就任した。じょうばん街工房21会長、いわきバッテリーバレー推進機構副代表理事などを務めている。

市長選を巡っては、元福島大理事・事務局長の内田広之氏(48)、会社経営の渡部(わたのべ)安彦氏(33)の新人がすでに出馬を表明しているほか、過去に市長選に立候補した元衆院議員の動向も注目されている。現職の清水敏男氏(57)=2期=は現時点で態度を表明していないが、関係者によると2月中にも態度を示す見通し。