最終更新:1月29日午後6時55分

■<新型コロナ>いわき市は重症含む4人 市内の民家で3例目クラスター確認

県は29日、いわき市で28日、新たに4人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。10日連続での確認で、累計で231人となった。県によると、陽性者は10〜60代。うち60代の会社員男性1人は重症。陽性判明時に重症と診断されるのは、いわき市では初めて。概要は別掲 <こちら>。

県内全体では14人の陽性者が確認され、累計は1707人。入院者(予定含む)は233人で、確保病床数469床に対し、占有率は49・7%と、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」を下回った。

こうした中、市は29日、市内の民家で20代の男女5人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。市保健所は感染状況などを総合的に判断し、クラスター(感染集団)が発生したとの認識を示した。市内のクラスター発生は3例目。

市保健所によると、22日に感染が判明した陽性患者3人について、行動履歴などを調査。その結果、19日夕方、マスクをせず、同年代の友人の男女7人で会食をしていたことが分かった。一方で7人の調査結果を踏まえ、接触者についても、陰性が判明しており、今後、感染拡大につながる可能性は低いとみている。

■小名浜の遊覧船 愛称「サンシャイン シーガル」に

本県唯一の海上観光遊覧船の復活に向け、準備を進めている小名浜デイクルーズ(市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」内)は、一般公募していた観光遊覧船の愛称を「サンシャイン シーガル」に決定した。同社の門馬成美会長(いわきタクシーグループ代表)、村田裕之社長(磐栄ホールディングス代表取締役)は28日に同センターで発表会を開き、決定の喜びと4月中旬を予定している就航開始について意気込みを語った。

同社では現在、神奈川県横須賀市、宮城県気仙沼市などでの運航実績を持つ総トン数77トンの旅客船を、小名浜造船(小名浜下神白)付近の岸壁に停め、船内の改修工事を進めている。愛称は1116件寄せられ、市内の40〜60代の男性3人から届いた、太陽の日差しが眩(まぶ)しいきらめく海、快晴の小名浜港を軽やかに飛ぶカモメなどをイメージした『サンシャイン シーガル』が、小名浜を連想させる親しみやすい名前だとスタッフたちの胸を打ったという。

写真は、愛称を発表して意気込む門馬会長(右)と村田社長=28日(クリックで拡大)

■いわき市 特別養護老人ホームの特性生かした県内初の協定結ぶ

成年後見制度の普及、啓発などを目的に市、県老人福祉施設協議会特養部会いわき支部は28日、「特別養護老人ホームとの地域共生社会の実現に関する連結協定」を結んだ。高齢化社会に伴い、財産管理や介護サービス利用などの契約等に判断能力が不十分となる認知症高齢者の増加、少子化による支える側の減少など、今後の制度利用者が増えることを予測されることから、地域に所在する特別養護老人ホームの特性を活用する県内初の取り組み。

協定後、従来の市による「権利擁護・成年後見センター」、各地区保健福祉センターの8カ所に、同支部加盟の27施設が新たに加わることで、計35の窓口が設置され、これまで以上に市民からの成年後見制度の相談対応、認知症、知的・精神障がいによる判断能力の程度に応じたサービスに関する情報提供、適切な支援機関への橋渡しなど、必要な支援を行う。締結式は市役所で行われ、清水市長、小玉智巳同支部会長(社会福祉法人愛誠会理事長)が協定書に調印した。

写真は、協定書を手にする清水市長(左)と小玉支部会長=28日(クリックで拡大)

■いわきの近代画家・鈴木寿山 勿来関文学歴史館で企画展

市勿来関文学歴史館の企画展「鈴木寿山(じゅざん)〜いわきの近代日本画家〜」が4月13日まで、勿来町関田の同館で行われている。鈴木寿山(1838〜1918)は、明治・大正時代のいわき地方で活躍した日本画家。現在の栃木県宇都宮市に生まれ、明治初期に渡辺町に移住した。企画展は広く寿山を知ってもらう狙いを持ち、会場には同館などが所有する掛け軸や、当時の展覧会の案内など24点が展示されている。

このうち市の有形文化財指定の「絹本著色勿来関詠歌の図」は、勿来の関にちなんだ作品。狩衣姿で騎乗する源義家と、その従者が鮮やかな色彩で描かれつつ、伝統的画題と遠近法に基づく合理的視覚が併存している点に、近代の美術概念の状況が伺えるという。

写真は、「絹本著色勿来関詠歌の図」(手前)などが展示された鈴木寿山の企画展(クリックで拡大)