2021年1月27日(水)

■<新型コロナ>いわき市で新たに3人 ワクチン接種に3億4千万円の専決処分

県は27日、いわき市で26日、新たに3人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。8日連続の確認で、累計で225人となった。県によると、陽性者は10〜50歳代。概要は別掲 <こちら>。

県内全体では25人の陽性者が確認され、累計は1678人。入院者(予定含む)は263人で、確保病床数469床に対し、占有率は56・1%と、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」を依然上回る。

こうした中、市は26日、新型コロナウイルスのワクチン接種体制確保の事業経費として、地方自治法に基づき、3億4289万1000円の補正予算を専決処分した。市役所で同日、清水市長、飯尾仁保健福祉部長が発表した。

2月下旬から医療従事者を優先させるほか、市では3月中旬から65歳以上の高齢者、4月中には高齢者以外の基礎疾患を有する人、高齢者施設等の従事者、それら以外の人の対象者に接種券を郵送し、順次実施したいとする考え。会場は各医療機関、公共施設を予定する。

現時点では、国の先行承認が見込まれるファイザー社など3メーカーのワクチンで、同社の場合は1人2回の接種で、間隔は21日間から28日間。なおコールセンターは3月中旬に開設し、ワクチン保管用の冷凍庫は国、県からの割り当て分を含め21台が市内の医療機関に設置される。接種に必要な医療機関への委託料等は、2月の補正予算に上程する。

写真は、補正予算の専決処分を発表する清水市長=26日(クリックで拡大)

■常磐に来春「企業主導型保育園」 地元関係者がタッグ

東洋システム(本社・常磐西郷町=庄司秀樹代表取締役)と常磐共同ガス(同・常磐湯本町=猪狩謙二代表取締役社長)、学校法人まこと学園(常磐湯本町=楠洋興理事長)は来春を目標に、企業主導型保育園「まことルンビニー保育園」を常磐下船尾町に開園する。

蓄電池産業の集積を目指す「いわきバッテリーバレー構想」の実現に向けた環境づくりの一環で、両社を中心に子育て世代の負担を軽減するとともに、地元の幼児教育を後押し。両社の特色を生かし、地域の防災拠点としての機能を持たせる。東洋システムの蓄電池、常磐共同ガスの床暖房、ソーラーパネルなどを採用し、東日本大震災や東日本台風の経験から、両社から素早く備蓄品を搬入できる体制を構築し、企業の枠を越えて災害に対応する。

現計画では約1千平方メートルの土地に、木造平屋建ての園舎を建築。定員は0〜2歳児の20人(最大35人)を予定し、企業、地域枠を設ける。3歳児からはまこと幼稚園(常磐湯本町)での受け入れも検討中で、同学園では仏教を主とした心の教育に努めていることから、仏陀(ぶっだ)生誕の地に由来する『ルンビニー』を園名にした。

写真は、来春の開園に向け意気込む猪狩社長、楠理事長、庄司社長(左から=クリックで拡大)

■毎月7日は何の日? 魚食の日にちなんだ愛称募集中

魚食への関心や理解をさらに深めてもらおうと、市は26日から、「市魚食の推進に関する条例」の制定1周年事業として、毎月7日の「魚食の日」の愛称・キャッチフレーズを募っている。市は昨年2月、同条例を制定。翌3月7日以降、毎月7日を「魚食の日」とし、水産物の消費拡大を図るため、各種事業を展開している。

テーマは「毎月7日は『〇〇〇〇〇の日』」。空欄の文字数は指定なし、他作品からの引用は不可となる。市内の水産関係者らで審査会を開き、最優秀作品1点を選ぶ。受賞者には賞状のほか、3万円相当の水産加工品などて贈られる。採用作品は条例の通称やホームページ、LINE(ライン)などのSNS(会員制交流サイト)、ポスター、チラシなどで使用される。締め切りは2月22日、1人1作品まで。詳しくは<こちら>。

■常磐白鳥町の喜楽屋 破産手続き開始決定 地裁いわき支部

常磐白鳥町で温泉旅館を営む「喜楽屋」(高橋謙造代表)は27日までに、地裁いわき支部から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約9200万円。帝国データバンクいわき支店によると、喜楽屋は明治10年創業、昭和27年に法人化した老舗旅館。小規模ながら固定客での経営を維持し、ピーク時の平成10年8月期には約1億8900万円を計上していた。

その後、東日本大震災に伴う東電福島第一原発事故での作業員宿舎として利用されてきたが、風評被害やレジャーの多様化などで年々客足が遠のくなど、減収傾向にあった。令和元年8月期は約5700万円にまで落ち込むなど、資金繰りもひっ迫し、同2年2月には事業を停止していた。