2021年1月26日(火)

■<新型コロナ>いわき市で新たに1人 よつくら訪問看護ステーションは再開

県は26日、いわき市で25日、新たに1人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。7日連続の確認で、累計では222人となった。県によると、陽性者は20歳代の会社員女性。経過は22日に咳症状。25日に県内陽性者の濃厚接触者として、 PCR検査によって陽性判明。軽症。入院予定。職場関係者が濃厚接触者に該当。

県内全体では29人の陽性者が確認され、累計は1653人。入院者(予定含む)は276人で、確保病床数469床に対し、占有率は58・8%と、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」を依然上回る。

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社会福祉法人楽寿会が運営する、四倉町上仁井田の「よつくら訪問看護ステーション」は25日から、新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染集団)の発生で、休止していた訪問看護などの在宅サービスを再開した。

同法人は9日、職員1人がPCR検査で陽性が確認されて以降、在宅サービスを休止。その後、市保健所は感染状況などを総合的に判断し、クラスターが発生したとの認識を示した。19日までにこの職員を含め職員3人、利用者とその家族10人の感染が確認された。

市保健所の指導の下、同法人は同ステーションと同棟に事業所を置く職員や関係者すべてのPCR 検査を実施。クラスター発生により、陰性確認後も濃厚接触者は2週間の健康観察を行った。また、保健所指示対象外の同法人に在籍する全職員もPCR検査を実施し、すべて陰性と判明。感染拡大の可能性はないと判断し、サービスを再開した。

■28日午後4時に全線供用開始 鹿島街道のがけ崩れ箇所

令和元年8月に鹿島町久保地内で発生したがけ崩れ箇所の対策工事完了に伴い、通行止めの県道小名浜・平線(通称・鹿島街道)の右折レーン、市道2車線(鎌田1号線、久保下矢田線)が規制解除され、28日午後4時から全線供用が開始される。県いわき建設事務所が25日に発表した。

崩落は鹿島街道に隣接する岩山の一部で、令和元年8月24日午後11時ごろ、幅約40メートル、高さ約20メートルにわたって起きた。岩盤、土砂、木々が最大16・5メートルほど、鹿島街道側に流出した。このため、県では通行再開に向け、復旧作業に着手した。

写真は、復旧個所の航空写真(県いわき建設事務所提供=クリックで拡大)

■震災伝承みらい館で「姫花さんのハンカチ」企画展 2月にも父の講演会

薄磯三丁目のいわき震災伝承みらい館の企画展「震災の想い〜ハンカチにのせて〜」が3月21日まで、同館で開かれている。10歳という若さで東日本大震災の犠牲となった鈴木姫花さん(当時・豊間小4年)が生前描いた塩屋埼灯台の絵をもとに、姫花さんが生きた証として制作した黄色いハンカチをめぐる物語などを展示。震災から間もなく10年を迎えるのを前に、同館では震災の記憶を思い起こし防災意識を高めてほしい、と願う。

展示初日の23日には、姫花さんの父・貴さん(44)が記念講話を行った。静かに耳を傾け、時折涙をぬぐう来館者たちを前に、貴さんは「地元で起きたことは地元の人が伝えるしかない。伝えることによって残っていくものがある。これからも無理ない範囲で協力し、ハンカチも手にしたい人がいる限り、売り続けたい」と、教訓を後世に伝えていくことの意義を語った。

貴さんの講話は2月13日にも実施する。聴講は申し込み制で、定員は30人。詳しくは<こちら>。締め切りは2月10日。問い合わせは、同館=電話(38)4894=まで。

写真は、開催中の企画展「震災の想い〜ハンカチにのせて〜」(クリックで拡大)

■廃炉創造ロボコン 福島高専が最優秀賞に輝く

東電福島第一原発の廃炉に向け、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しを想定した課題について、全国の高専生が自作ロボットで挑む「第5回廃炉創造ロボコン」が24日、オンラインで開催され、福島高専の鳥羽広葉(機械システム工学科4年)、武田匠(同)、冨樫優太(電気電子システム工学科4年)さんの3人が技術を結集したロボット「メヒカリ」が最優秀賞(文部科学大臣賞)に輝いた。

今回はコロナ禍のため、会場での競技はなく、エントリーした13校・14チームが事前収録した映像をオンライン配信する「動画審査」が行われた。動画は全10分間で、前半5分間がアピールタイム、後半5分間が課題項目をクリアする様子を取り込んだ。

課題は、ロボットが塩ビパイプを通じ、格子状のプラットホーム上を走行するもので、段差、角度がある床面に子機を降ろし、デブリ模擬体を回収するため、親機の安定した動きが必要とされた。同校は子機に回転するブラシを装着し、デブリ模擬体を容易にかき集めることに工夫を凝らすなどした。最優秀賞の伝達式が25日、平上荒川の同校で行われ、山下治校長が3人に賞状、トロフィーを手渡し、栄誉をたたえた。

写真は、最優秀賞の賞状、トロフィー、ロボットを手にする冨樫、武田、鳥羽さん(左から)=25日(クリックで拡大)