2021年1月23日(土)

■<新型コロナ>いわき市で過去最多の12人 清水市長「感染拡大防止の正念場」

県は23日、いわき市で22日、新たに12人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。1日としては過去最多。4日連続の確認となり、累計では217人。県によると、陽性者は10歳未満〜60歳代。概要は別掲 <こちら>。

こうした状況を受け、清水市長は23日、感染拡大防止の正念場とするメッセージを発表し、「一人ひとりが『感染しない』『感染させない』という意識を持ち、三密を避けるなど感染防止対策に万全を期すことが何より重要」と市民に呼びかけを行った。

県内全体では36人の陽性者が確認され、累計は1584人。入院者(予定含む)は260人で、確保病床数469床に対し、占有率は55・4%と、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」を依然上回る。

■田人・磐城高箸 福島イノベのスマホスタンド開発

田人町南大平の磐城高箸(高橋正行代表取締役)は、良質ないわき産スギの間伐材を活用したスマートフォン用スタンド「イノベのイロハスタンド」を開発した。東電福島第一原発事故から浜通りに新産業創出を目指す「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」の理念を広げるため、片仮名の「イ」の形を模したスタンドで、道の駅よつくら港をはじめ浜通りの道の駅、観光施設で27日から販売を開始するほか、被災地の視察者向けに頒布する。

スマホスタンドの開発は昨年12月、福島イノベ構想に賛同する企業などでつくる「福島イノベ倶楽部」から「今年2月に始まる首都圏対象の視察ツアーに合わせ、お土産品を作ってほしい」との依頼がきっかけだった。福島イノベ構想が掲げる重点6分野に、1.発想の転換は、イノベーションのイロハの「イ」 2.異次元、異端の「イ」 3.意外性の「イ」 4.逸品、燻(いぶ)し銀、粋の「イ」 5.イノベーションの「イ」、そして6.磐城高箸の「イ」――をかけ、片仮名のイを意匠に決めた。

間伐材を厚さ5ミリで「イ」の形にレーザー加工し、6枚を重ね合わせた。書体は明朝体で、右側に倒すと筆押さえの位置にスマートフォンが置ける仕掛けも施した。今年3月で東日本大震災の発生から10年。いや応なしに被災地へ視線が注がれるが、福島イノベ構想に盛り込まれた林業に携わるひとりとして「このスマホスタンドをきっかけに興味を持ってもらえれば」と期待を寄せる。

価格は880円( 税込)。商品は道の駅よつくら港、市石炭・化石館「ほるる」をはじめ、道の駅ならは(双葉郡楢葉町) と同なみえ(同浪江町)、同南相馬(南相馬市)、セデッテかしま(同)、Jヴィレッジ(同郡楢葉、広野町)で販売する。問い合わせは、磐城高箸=電話(65)0848=まで。

写真は、「イノベのイロハスタンド」(手前)を開発した高橋社長(クリックで拡大)

■いわきの銀幕・聚楽館の歴史を 草野心平記念館で企画展始まる

市立草野心平記念文学館の企画展「映画館の記憶〜聚楽館をめぐって」が23日から、小川町の同館で始まった。3月28日まで。同展は明治39(1906)年、平字一町目に飯田一二( かつじ)氏が創建した常設舞台「聚楽館」がテーマ。昭和12(1937)年から映画常設館として、数々の名作を上映し、戦中戦後のいわきにおける最先端の娯楽をけん引。同48年2月に火災のため建物が全焼したのち、世界館ビルに移転、平成11(1999)年に幕を降ろすまでの歴史を紹介している。

館内には写真パネル、パンフレット、ハリウッドスターの写真、常設舞台時代の芝居「錦画集」、米国映画輸出協会のスカーフなどが展示され、来館者の目を引いている。午前9時〜午後5時(入館は同4時半まで)。月曜休館。観覧料は一般440円。

写真は、展示資料に見入る来館者=23日(クリックで拡大)

■塩屋埼灯台 新型コロナで見学者大幅減に 昨年1年間

公益社団法人燈光会塩屋埼支所(小野季子支所長)は23日までに、昨年1年間の塩屋埼灯台の見学者数を公表した。東日本大震災で大きな被害を受け、修繕工事をへて見学を再開した平成26年度以降で最も少ない、1万8428人(前年比1万1442人減)に。春先の新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、見学を一時中止したことが大きく影響した。

塩屋埼灯台の参観業務などを行う燈光会塩屋埼支所によると、昨年1、2月は前年を上回る推移を見せていたが、緊急事態宣言により、2月28日から6月5日までの約3カ月間、塩屋埼灯台を含め見学できる全国の灯台16カ所が休止となったことが大きく響いた。

今年もさまざまな活動を計画しているといい、小野支所長は「コロナ禍に加え、周辺道路工事の影響が強かった。引き続き万全な感染対策を取りながら(見学に)対応していきたい」と語り、本市を代表する観光地の周知に意欲を見せた。

写真は、昨年11月に開催された灯台文化祭。新型コロナの影響で年間の見学者数は大幅に減少したが、大きな注目を集めた(クリックで拡大)