2021年1月21日(木)

■<新型コロナ>いわき市で新たに4人 2日連続での確認 累計で200人超える

県は21日、いわき市で20日、新たに4人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。2日連続の確認となり、累計では201人と、昨年3月に初めて陽性者が出てから10カ月で200人を超えた。県によると、陽性者は10〜70歳代。概要は別掲 <こちら>。

県内全体では16人の陽性者が確認され、累計は1534人。入院者(予定含む)は268人で、確保病床数469床に対し、占有率は57・1%と、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」を依然上回る。

■本市海域の豊かさ証明 アクアマリン調査結果公表

ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は21日までに、2017年度に泉町下川の旧いわきサンマリーナ(小名浜港剣浜緑地)で実施した稚魚調査の結果を公表した。33種1869個体が見つかり、東北海域では初めて、生息域外種のオニカマスとクエ、フエダイの稚魚を確認。本県ではこれまで砂浜・海岸における稚魚の生息調査は行われておらず、生息実態は明らかとなっていなかったが、今回の調査で親潮と黒潮が交わる潮目の海域が豊饒(ほうじょう)な生息環境にあることが証明された。

旧いわきサンマリーナは東日本大震災の津波で多大な被害を受け、一部を除いて立ち入りが制限されている。湾内はアマモ、ガラモなどの藻類が多く、稚魚にとって大型の捕食者から見つかりにくい餌場(シェルター機能)を有し、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」によると、『海の保育園』のような役割を果たしている。

確認された稚魚はアユ、クサフグ、シロメバル、クロダイ、イシカワシラウオなど多種に渡り、生息域外種も発見。黒潮に乗って流れ着いたほか、地球温暖化による水温上昇で南方域から北上した可能性が考えられるといい、今後も多くの種類の稚魚が出現されることが予想される。

チームリーダーとして現在も継続調査を進める、縄文の里グループ主任の森俊彰さん(36)は「市民の憩いの場となっているサンマリーナが、稚魚にとって大事な環境であることを知ってもらいたい」と語り、今回の結果が海洋環境の保全に向けた市民の意識向上に役立つことを期待する。

写真は、いわきサンマリーナの砂浜海岸。豊かな海洋環境で『海の保育園』の役割を果たしている(アクアマリンふくしま提供=クリックで拡大)

■東日本台風からの復旧 マルトに掲示 県いわき建設事務所

県いわき建設事務所は20日から、市と協働し、東日本台風での被災状況、代表的河川の工事進ちょくを伝えるため、いわき市内のマルト全店に「復旧・復興だより」のポスター掲示を始めた。同事務所では、各地域住民に破損個所の堤防強化、河道内の伐木、掘削などの対策工事を約1カ月ごとにポスター(A1判)で紹介していく方針。

ポスターは5地域、8つの内容に分類。掲示店は次の通り。▽ニュータウン店▽神谷店▽平北白土店▽SC城東店▽平尼子店▽内郷店▽好間店▽SC高坂店▽浅貝店▽神白店▽釡の前店▽泉店▽玉川店▽岡小名店▽SC湯長谷店▽SC君ヶ塚店▽東田店▽錦店▽SC中岡店▽SC窪田店▽勿来駅前店▽四倉店▽SC草野店

写真は、マルト平窪店で掲示されたポスター。「夏井川の災害復旧について」などを紹介する=20日(クリックで拡大)

■顔/JRいわき駅長・渡辺治幸氏 鉄道から地域を元気に

「鉄道から地域をもっと元気にするという初心を忘れず、『人の移動・交流を誘発する取り組み』を創意し、前を向いて進めていきたい」と力強く抱負を語った。主に駅長を務め、駅長勤務は上菅谷、大甕、泉、友部、勝田に続いて6駅目。市内での駅長勤務は泉以来2度目となる。

平生まれの平育ちで、ふるさとの復興を一歩でも前に進ませたいと願い、浜通りの復興に対する期待は大きい。「3/11 東日本大震災10年」「3/14 JR常磐線全線開通1周年」など節目の年に地域を盛り上げるキャンペーンを展開。いわき駅周辺では再開発が始まり「駅周辺の変革とともに鉄道から地域をもっと元気にしたい」と前を見据える。

平出身。内郷高(現・いわき総合高)卒。昭和54年、国鉄に入社し、平機関区構内整備係として鉄道人生をスタートした。趣味は読書で、好きな作家は宮本輝。平の自宅に妻、娘2人と4人暮らし。60歳。

写真は、いわき駅長としての思いを語る渡辺治幸氏(クリックで拡大)