2021年1月16日(土)

■<新型コロナ>いわき市は7人 職員陽性の市医療センターは該当病棟の入院再開

県は16日、いわき市で15日、新たに7人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。19日連続での確認となり、累計の陽性者は185人(うち市内居住は172人)となった。県によると、陽性者は10歳代から90歳代。概要は別掲 <こちら>。

県内全体では37人の陽性者が確認され、累計で1410人となった。入院者数は予定者を含め312人。確保病床数469床に対し、占有率は66・5%とこれまでで一番ひっ迫しており、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」を上回る。

また市医療センターは15日、20代の男性職員が新型コロナウイルスに感染したことを受け、新規入院患者の受け入れを中止していた病棟を、16日から再開すると発表した。同センターによると、男性職員と接触のあった同僚や入院患者42人(うち8人が濃厚接触者)をの検体を採取し、PCR検査をした結果、いずれも陰性を確認。市保健所の指導に基づき、受け入れを中止していた病棟を通常体制に戻す。

■きょうから初の大学入学共通テスト 医療創生大でも

大学入試センター試験に代わる初の大学入学共通テストが16日、全国一斉に始まった。17日までの2日間の日程で実施され、初日は地理歴史・公民、国語、外国語。2日目は理科、数学が行われる。志願者は、前年と比較して2万2454人少ない53万5245人。県内では7会場が指定され、6455人(前年度比305人減)が申し込んでいる。このうち、いわき市では中央台飯野の医療創生大を会場に1104人(同68人減)が志願した。

今年はコロナ禍のため、早めの入場は出来ないことから、受験生は試験開始時間の少し前に姿を見せ始めていた。また会場の同大では激励の教職員、取材陣などの立ち入りを中止したほか、試験を行う15教室全室に消毒液、試験監督と受験生間の飛まつ防止にプラスチックの仕切り板設置、トイレ使用時の混雑を避けるため待機位置を記したテープ貼り付けるなどした。

写真は、試験会場の医療創生大に入場する受験生=16日(クリックで拡大)

■いわき海星高×やま鳶 カナガシラの勝つカレー開発

いわき海星高(松本善法校長)の水産クラブは、平字作町のラーメン店「創作麺やま鳶」(曲山修太代表)と共同で新商品のカツカレー「金頭(かながしら)の海星高校 勝つカレー」を開発した。いわき沖で漁獲されたカナガシラをはじめ、本市産の野菜などがふんだんに使われ、2月7日には元禄彩雅宿「古滝屋」(常磐湯本町)でテイクアウト販売を計画する。

共同開発を行った「創作麺やま鳶」(曲山修太店長) は、『常磐もの』のカナガシラでだしを取ったご当地ラーメンを開発。さらに食で地域を盛り上げるため、満足な食事がとれない家庭や孤食の子どもに温かい食事を提供する社会活動「こども食堂」なども展開しており、未来を担う10代を支援したいと、今回の提案を快諾、昨年9月から試行錯誤してきた。

開発を進めてきた小野明奈さん(2年)は「カナガシラを食べたことのない人がほとんどだと思うので、ぜひ食べてほしい」と願っている。金頭の勝つカレーは、2月7日午前10時から午後3時、古滝屋で数量限定で提供する。問い合わせは、やま鳶=電話080(3327)6661=まで。

写真は、金頭の勝つカレーをPRする小野さん(クリックで拡大)

■「金魚電話ボックス」 田人町の現代美術作家・山本さん逆転勝訴

金魚の産地で知られる奈良県大和郡山市で、商店街に設置された電話ボックス型の金魚の水槽が、自身の作品に酷似しているとして、いわき市田人町の現代美術作家・山本伸樹さん(64)が商店街側に対し、330万円の損害賠償などを求めた訴訟で、控訴審の大阪高裁(山田陽三裁判長)は著作権侵害を認め、商店街側に55万円の支払いとオブジェの廃棄を命じた。判決は14日付。

令和元年7月の一審・奈良地裁の判決は、山本さんの請求を棄却しており、逆転勝訴となった。山本さんは平成10年、「メッセージ」と題し、水質汚濁など環境問題を提起する思いから、電話ボックス型の水槽を使ったアート作品を発表。同12年からは金魚を泳がせ、たびたび全国各地で公開されてきた。

一方、類似作品は、同23年に京都造形美術大(現・京都芸術大)の学生グループが制作。商店街側が譲り受け、同25年10月から30年4月まで展示した。山本さんはもともと同大に抗議しており、設置当初から商店街側にも問題を指摘していた。控訴審判決を受け、山本さんは「美術界の考えからするとまねと分かっても、法律レベルでは問題にならないこともある。この経験を踏まえ、新たな作品に取り組んでいきたい」とさらなる意欲を示した。