2021年1月8日(金)

■<新型コロナ>いわき市で新たに6人 清水市長は経済4団体に感染対策を要請

県は8日、いわき市で7日、新たに6人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。いわき市での確認は11日連続で、累計では130人となった。県によると、陽性者は20歳代の会社員男性、60歳代の無職女性、大阪府在住の50歳代男性、90歳代の無職女性、千葉県在住の20歳代の無職女性、20歳代の会社員女性。行動歴などは別掲 <こちら>。

県内全体の7日の陽性者は38人。同日までの陽性者累計数は1140人。入院患者(予定を含む)は275人。確保病床数469床に対し、占有率は過去最高を更新した58・6%で、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」を上回る。

平字二町目のフィリピンパブ「クラブJP」で従業員3人が陽性だった件について、市保健所によると、7日現在、22人からの電話相談を受理している。PCR検査を随時行っているが、現在までに陽性者の確認はないという。市では昨年12月24日から30日の間、この店を利用した人を対象に相談を受け付ける。連絡先は、受診・相談センター=フリーダイヤル(0120)567747。平日・休日問わず24時間対応する。

◇        ◇

市は7日、拡大傾向にある新型コロナウイルス感染防止のため、市内の経済4団体に対策協力の徹底を要請した。対象はいわき経済同友会、いわき地区商工会連絡協議会、いわき商工会議所、県中小企業家同友会いわき地区。このうち、いわき商工会議所には清水市長、飯尾仁市保健福祉部長、小松尚人市産業振興部長らが訪れた。

清水市長は「いわき市内での感染拡大に危機感を持っている。2月を正念場と考え、一刻も早く沈静化させるため、加盟事業者の協力をお願いしたい」と述べ、協力要請書を小野栄重会頭に手渡した。小野会頭は「コロナ終息が経済活性化につながる。時短要請など最悪の状況にならないうちに、加入約3800社に周知徹底させたい」と応じた。

市では「接待を伴う飲食店等の従事者専用ダイヤル」を設置。スタッフが同席する形態での従業員のうち、行動歴や接触歴で感染不安がある人が対象。無症状の人からの相談も受け付け、必要に応じて無料のPCR検査を実施する。問い合わせは、市保健所検査相談担当=電話(27)8596=へ。受け付け時間は平日午後1〜4時(期間は3月31日まで)。

写真は、清水市長(右)から要請書を受け取る小野会頭=7日(クリックで拡大)

■市長選 新人・内田氏が正式表明「いのちと生活守る」

9月27日の任期満了に伴う市長選に向け、無所属新人で、元福島大理事・事務局長の内田広之氏(48)=平下神谷=が8日、正式に立候補を表明した。いわきワシントンホテル椿山荘で同日、記者会見を行った。内田氏は「いわき市には現在、さまざまな課題がある。市民の『いのち』と『生活』を守ることコンセプトに、まず新型コロナの感染防止に努めたい。そのためには先手、先手と施策をすすめなければならない」と述べた。

文部科学省出身の経験から、「秋田県に出向した当時、県高校教育課長として学力日本一の実現に携わった。いわき市も教育、子育てでトップを目指したい」とし、「企業誘致を行い、雇用確保の環境を整備することで若者の古里離れを食い止めたい」と将来像に目を向けた。

東日本大震災・原発事故から10年を迎えることについて、「これまではマイナスからゼロの部分だったが、これからはブラスへの復興としたい」などと決意を示した。同席した吉村作治後援会長(東日本国際大学長)は「内田さんとは、教育に対する思いが一致している。ともに人材を育てていきたい」と話した。なお、後援会事務所(平字新川町22の6)は18日に開所する予定。

写真は、市長選立候補を表明する内田氏=8日(クリックで拡大)

■えとにちなんだ企画展 31日まで・市考古資料館 平城発掘速報展も

市考古資料館の令和2年度ミニ企画展「干支(えと)―うし―」が31日まで、常磐藤原町の同館で開かれている。入館無料。常磐馬玉町の「牛神社」に関する歴史、神体とされる独鈷(どっこ)石、周辺から採取された縄文土器、サザエ、サトウガイ、ヤマトシジミなどの貝類、隣接する「牛神社裏古墳」、平下高久の「牛転(うしころばし)古墳群」など関連する史跡の解説パネルが展示され、来館者の目を引いている。

同じく市内で「うし」の名の付く小字名として、小川町上小川字牛小川(うしおがわ)、同町柴原字丑ノ倉(うしのくら)、四倉町下仁井田字牛淵(うしぶち)、同町塩木字黒牛(くろうし)など9地区を取り上げている。ロビーでは、同時企画展として「平城跡発掘速報展」(31日まで)も開催している。開館時間は午前9時〜午後5時(入館は同4時半まで)。19日休館。問い合わせは、市考古資料館=電話(43)0391=へ。

写真は、展示されている『うし』に関する資料(クリックで拡大)

■1都3県に「緊急事態宣言」 いわき市の各業界も危機感

政府は7日夕、東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県に、新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令した。期間は8日から2月7日まで。本市の各業界でも危機感を募らせており、厳しい声が上がっている。

常磐藤原町のスパリゾートハワイアンズは発令を受け、7日夜、首都圏を中心に直行の予約制の宿泊者専用無料送迎バス「ハワイアンズエクスプレス」を運休することを決めた。施設の約8割が首都圏の利用客だが、「お客様に引き続き、安心・安全に楽しんでいただけるような環境づくりをし、これまで通り衛生対策を徹底して継続していく」とコメントしている。

小名浜のふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」、市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」は平時から関東圏からの来訪が多く、緊急事態宣言の影響が懸念されている。両施設では利用者が増加した「Go To トラベル」の停止延長が大きく響いており、今回の発令が追い打ちとなることが予想される。

同館の古内忠信事業調整グループリーダーは「感染拡大が強まってはいるが、引き続き感染防止対策に努めていきたい」、同センターの小玉浩幸参事は「かなり厳しい状況だと実感している。防疫に加え、感染時も想定してテナント店を守る仕組みを作っていきたい」と厳しい表情を浮かべた。