2021年1月7日(木)

■<新型コロナ>1都3県に緊急事態宣言 いわき市での新規陽性者は6人

菅首相は7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に緊急事態を宣言した。期間は8日から来月7日までの1か月間。経済への影響を最小限に抑えるため、期間中は飲食店などに限り、集中的な感染対策が講じられる。首相官邸で記者会見に臨み、国民に対しては「今回の世界規模の感染の波は想像していたものを超え、厳しいものになっている。克服のためには、もう一度、皆さんに制約のある生活をお願いせざるを得ない」と理解を求めた。(読売新聞社配信)

写真は、緊急事態宣言を発令する菅首相=7日午後5時31分、首相官邸(読売・源幸正倫撮影=クリックで拡大)

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県は7日、いわき市で6日、新たに6人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。いわき市での確認は10日連続で、累計で124人となった。県によると、陽性者は30歳代の無職女性、神奈川県在住の30歳代の女性(職業非公開)、30歳代の男性(同)、40歳代の会社員男性(同)、20歳代の会社員女性、60歳代の会社員男性。行動歴などは別掲<こちら>。

県内全体の6日の陽性者は29人。同日までの陽性者累計数は1102人。入院患者(予定を含む)は261人。確保病床数469床に対し、占有率は過去最高を更新した55・7%で、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」を上回る。

6日の段階で、市内では内郷御厩町の市医療センターをはじめ、3病院で陽性者の入院患者を受け入れており、現在の確保病床数は94床。入院者数は38人で、占有率は40・4%となっている。

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従業員3人が陽性となった平字二町目のフィリピンパブ「クラブJP」が、市独自の新型コロナ接触通知システム「あんしんコロナお知らせシステム」を設置していなかったことが分かった。6日の記者会見の席上、清水市長が明らかにした。同システムはQRコードを活用し、店舗で陽性者が確認された際、同じ日時に居合わせた利用者に向けてメールが通知される。

市によると、同店には従業員19人が在籍。残り16人は陰性だった。同店は午後8時から翌日午前1時まで営業しており、その間、換気は2度ほどで行っていたが、マスクをせずに接客していた時間帯があったという。

市では昨年12月24日から30日の間、この店を利用した人を対象に相談を受け付ける。連絡先は、受診・相談センター=フリーダイヤル(0120)567747。平日・休日問わず24時間対応する。6日現在、同店を利用した22人から問い合わせが来ているという。

■市幹部の退職者固まる 大和田総合政策部長ら

市の部長、次長職の令和2年度退職者が固まった。今春の市の人事は新設される危機管理部などを含め、これから本格的に検討される。市によると、組織改正も含め、昨年度と比較して大規模となる見込み。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響も考慮する必要があるという。3月中旬にも発表される見通し。

部長職は大和田洋総合政策部長、岡田正彦総務部長、下山田松人市民協働部長、本田和弘農林水産部長、高田浩一都市建設部長、鈴木静人会計管理者、山崎俊克議会事務局長、猪狩浩二消防長、鈴木善明医療センター事務局長の9氏。

次長職は下山田広志生活排水対策室長、吉村公孝保健所次長、鈴木常夫公営競技事務所長、坂本卓之監査委員事務局長の4氏。前年度と比較し、部長職は6人多く、次長職は3人少ない。

■いわき市の公立小・中 きょう1日早く始業式

市内の多くの公立小・中学校では7日に3学期の始業式が行われ、子どもたちは約2週間ぶりの再会を喜び、冬休み中の話題に花を咲かせた。このうち、常磐上湯長谷町の長倉小(梅原広校長、児童数174人)では、体育館で式を実施。3密を避けるために1メートルほど列の間隔を空け、校歌斉唱などは取り止めて校長あいさつのみとした。

梅原校長は元気そうな教え子たちの姿にほっとしながら、えとの丑(うし)に触れて「牛は速く走れないが、一歩一歩前に進む動物。牛のようにこつこつと着実に、継続して成長する年にしましょう」と前向きなメッセージを送った。市教委によると、公立小・中学校では1学期に新型コロナウイルス感染症で臨時休校を余儀なくされたため、7日にも授業日を設けた。現時点では3学期の土曜授業日はなく、修了式は3月23日を予定している。

写真は、「3学期のめあて」を掲げる長倉小の児童ら=7日(クリックで拡大)

■早くも春の便り 小名浜生協病院で紅梅咲き始める

小名浜生協病院(小名浜岡小名)の病棟南側では、早咲きと知られる紅梅がちらほらと咲き始め、利用者や職員たちの心を和ませている。病院が平成14年に開院される前からある梅で、例年は年末から年明けにかけてつぼみがほころぶ。

今季は連日厳しい寒さが続くが、暖冬にもかかわらず開花が遅れた昨年に比べて開花は早く、「紅梅は暖かければ咲くものではないということかな」(病院を運営する浜通り医療生活協同組合の鈴木英司副理事長)。今月いっぱいは見ごろが続くとみられ、職員たちは「コロナ禍の中、不安を抱えながら通院、入院されている方々の心が安らいでくれれば」と願った。

写真は、小名浜生協病院に開花した早咲きの紅梅=7日(クリックで拡大)