2020年1月5日(火)

■<新型コロナ>いわき市で新たに5人 うち1人は医療センター職員 診療は継続へ

県は5日、いわき市で4日、新たに5人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。うち1人は市医療センターの20歳代の男性職員で、県内陽性者の接触者として、4日に医療機関で検体を採取し、陽性と分かった。症状なし。入院中。市は5日、職場関係者ら50人が濃厚接触者・接触者に該当すると示したが、現時点で新たな陽性者はいないとしている。

また当分の間、この職員が勤務していた病棟での新規入院患者の受け入れは中止する。外来エリアへの立ち入りはなかったため、重症患者も含め通常通り診療する。いわき市での確認は累計で107人。県によると、このほかの陽性者は東京都在住の20歳代の男性(職業非公表)、30歳代の女性(同)、80歳代の無職男性、70歳代の無職女性。

東京都在住の20歳代の男性は、4日にPCR検査によって陽性と分かった。濃厚接触者は調査中だが、状態や行動歴などの公表は一切同意が得られなかったという。

30歳代の女性は、昨年12月31日にけん怠感、鼻水、咳症状。3日に症状が継続するため、医療機関で検体を採取し、4日に陽性と分かった。軽症。入院予定。同居家族が濃厚接触者に該当する。感染経路は現時点で不明。

80歳代の無職男性は、同27日にけん怠感。28日に発熱、けん怠感、食欲不振、嗅覚異常。30日に発熱、嗅覚異常。4日に症状が継続するため、医療機関で検体を採取し、陽性と分かった。軽症。入院中。濃厚接触者は調査中。感染経路は現時点で不明。

70歳代の無職女性は、同28日にけん怠感。29日に発熱、頭痛、咳症状。31日に発熱、けん怠感、嗅覚異常。4日に症状が継続するため、医療機関で検体を採取し、陽性と分かった。軽症。入院中。濃厚接触者は調査中。感染経路は現時点で不明。

県内全体の4日の陽性者は25人。同日までの陽性者累計数は1033人。入院患者(予定を含む)は225人。確保病床数469床に対し、占有率は過去最高の48・0%で、政府の分科会が示す感染状況のうち、最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標の一つ「確保病床の50%以上」が間近となっている。

■平のフィリピンパブ従業員が陽性 来店者向けに相談対応

市は5日、平字二町目のフィリピンパブ「クラブJP」の従業員で、新型コロナウイルスの陽性者が確認されたと明らかにした。昨年12月24日から30日の間、この店を利用した人を対象に相談を受け付ける。連絡先は、受診・相談センター=フリーダイヤル(0120)567747。平日・休日問わず24時間対応する。

■卸売市場 水産や青果の初市式 コロナ禍でも活気

市中央卸売市場の水産物、青果部、関連事業者の初市式が5日、鹿島町の同市場で開かれた。今年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るために来賓を招待せず、投げ餅ととん汁の振る舞いを自粛するなど規模を縮小したが、関係者約410人が今年最初の競りに臨み、市場は活気にあふれた。

水産物部の初市式は午前6時に始まり、競りでは鮮度の高いサバやメバチ、筋子、貝類などが次々と競り落とされた。いわき魚類によると、入荷量は例年より少し多めで、単価は3〜5割下がった。本来は年末年始にかけて需要が伸びるはずだったが、コロナの影響で忘新年会、帰省などの自粛が続いていることが要因とみられる。

青果部では県産のトマトやニラ、ブロッコリー、ナメコをはじめ、新鮮なダイコン、ニンジン、キャベツ、イチゴなどの野菜が競り落とされたほか、県内外の生産者から届いたリンゴや温州ミカン、カブといった旬の野菜や果物が盛り付けられた毎年恒例の「宝船」も競り出され、市場は早朝から活気に満ちた。

平果によると、野菜、果物ともに入荷量は前年並みに安定しているが、昨年より安値傾向にある。年末年始のあいさつ周りの自粛などで、『箱もの』の売れ行きが落ちたことなどが要因とみられ、一方で外出自粛の傾向から商品を単品で購入するケースも。需要はさほど落ちていないという。

写真は、競りを行う水産物部の関係者=5日(クリックで拡大)

■吉野谷鉱泉に「牛」の絵 干支にちなんで注目

今年の干支(えと)の「丑(うし)」にちなみ、平吉野谷の宿泊施設「吉野谷鉱泉」の風呂場前に飾られた牛の絵画が、日帰りや宿泊客の注目を集めている。絵には牧地でのどかに草をはむ牛の群れが描かれており、東日本大震災の前年に偶然、代表の四家行雄さん(70)が倉庫を整理していた際に発見したという。

作者は不明だが、絵の裏側には「昭和17年作」との手書きがあり、四家さんは太平洋戦争が激しさを増していく中にも関わらず、平和な情景を描いたことに着目した。「早く戦争が終わってほしいと祈っていて、そのような思いを抱いた芸術家はいっぱいいただろうと思う。牛が軍事に取られる前に描いたのかもしれない」。

今年は震災、原発事故の発生から10年の節目。絵は平和を願っていただろう作者の思いに、いち早い復興、そしてコロナ禍の終息を重ね、飾り続けるという。

写真は、飾られている牛の絵画を前にする四家さん(クリックで拡大)

■県道いわき・石川線 田人の崩落現場 1月末から2車線へ

のり面崩落による片側交互通行が続いている「県道いわき・石川線」は、1月末に2車線通行が再開される見通しになった。県いわき建設事務所によると、崩落は昨年7月16日、田人町石住字才鉢地内の同線で発生。県では20メートル区間に応急対策工事として、モルタル吹き付け、仮設防護柵の設置ほか、監視作業を行ってきたところ、斜面移動がほとんど確認されず安定していると判断。8月8日に規制を解除し、片側交互通行を再開した。

この間、追加対策のモルタル吹き付け、鉄筋挿入工事を12月21日までに完了。翌22日から仮設防護柵の撤去工事を進め、安全性を確認した後、今年1月末をめどに規制解除する予定。才鉢バイパスの片側交互通行はしばらく続く。