2021年1月1日(金)

■<新型コロナ>いわき市で新たに3人 いずれも濃厚接触者 累計では87人に

県は1日、いわき市で昨年12月31日、新たに3人の新型コロナウイルス陽性者が判明したと明らかにした。いわき市での確認は計87人となった。県によると、陽性者は30歳代の会社員男性、40歳代の会社員男性、20歳代の会社員女性。いずれも県内陽性者の濃厚接触者。

1人目の30歳代の会社員男性は、29日に発熱、咳症状。30日に県内陽性者の濃厚接触者として検体を採取し、31日にPCRの検査によって陽性と分かった。軽症。入院予定。同居家族が濃厚接触者に該当する。

2人目の40歳代の会社員男性は、27日に頭痛、鼻水、のどの痛み。28日に鼻水、のどの痛み。30日に県内陽性者の濃厚接触者として検体を採取し、31日にPCRの検査によって陽性と分かった。軽症。入院中。同居家族が濃厚接触者に該当する。

3人目の20歳代の会社員女性は、24日に発熱、食欲不振。28日から29日に鼻水、咳症状。30日に県内陽性者の濃厚接触者として検体を採取し、31日にPCRの検査によって陽性と分かった。軽症。入院中。同居家族、職場関係者が濃厚接触者に該当する。

県内全体の31日の陽性者は12人。同日までの陽性者累計数は956人で、入院患者(予定を含む)は186人。確保病床数469床に対し、占有率は39・7%で、依然としてステージ3(感染急増)の指標の一つ「確保病床の25%以上」を大きく越えている。

■今春「小名浜海星高」誕生 統合2校の思い込めて

いわき市に今春、新たな高校が誕生する。創立114年の伝統校「小名浜高」(平沢洋介校長)と、県内唯一の水産海洋系高「いわき海星高」(松本善法校長)が統合した「小名浜海星高」。専門性の高い資格取得をいかした進学、就職に強みを持たせた高校で、開校に向けて着々と準備が進む中、両校と地域の特徴を込めた新たな校章と制服、校歌が発表された。

校歌は一昨年、現代詩人賞と市民芸術文化栄誉賞を受賞した中央台在住の斎藤貢さんが作詞し、東日本大震災で津波に流されたいわき海星高の楽譜を再現、センバツでの応援歌の編曲に携わった室伏正隆さんが作曲を担当した。両校の学校関係者と斎藤、室伏さんが意見交換を重ね、半年ほどかけて作り上げた。マスター音源の録音は31日、室伏さんやいわき海星高との縁が深い埼玉県所沢市で行う予定だ。

校章は、磐城高出身のグラフィックデザイナー杉山正樹さんが手がけた。円環で『持続可能な未来、地球、人々の調和』などを表現。小名浜高が立地する武城の丘から望む太平洋を水平ラインと水色地で示し、小名浜高校章にも使われる松と、水産高校の伝統で水を表す「六角星型」が描かれている。制服は、国際港と海洋文化との関わり、海と空を臨む学校のイメージを踏まえ、紺・青をメインとしたデザインに決定した。

写真は、新たな校章(右下)と男女の制服(クリックで拡大)

■いわき民報社&「HOPE」合同企画−東日本大震災から10年。

震災が発生した平成23年の10月、被災者130人の声を集めた証言集「HOPE(ホープ)2」が発行された。ローカル的視点から被災地と向き合ってきたいわき民報では、HOPEとともに証言者の『あのとき』と『あれから』を切り抜き当時の切実な声を届けるとともに、10年前に託されたバトンを将来の私たち、未来を担う子どもたちに繋(つな)ぎたいと願い、今特集を組んだ。特集をきっかけに、6日からは毎週水曜日に続編を掲載していく。

<被災経験が歴史に変わる時期」 いわき市出身の社会学者 開沼博さん(36)>

それぞれの経験が歴史に変わろうとしている。震災から10年を経る現在は、そんな時期にあると思っている。コロナ禍による緊急事態宣言が解除されてすぐのころ、双葉町に建てられた東日本大震災・原子力災害伝承館の屋上に立った。まだ開館前だったが、そこから見える青い海に感動した。起工式に出席した時、そこは殺風景な泥地だった。それにもまた様々な思いが巡ったのを思い出した。少し前まで津波被害の爪痕がそこかしこに見られ、日常的な立ち入りも許されなかった場所だったからだ。現在、そこは福島県内外の中高生はじめ、多くの訪問者で溢(あふ)れている。当初の想定を大幅に上回る盛況だ。

人々の個別の経験は、それぞれが世界史に残りうる価値をもっている。ただ、その全てが歴史になるわけではない。それを後世に残すのは経験を記憶する者とそうではない者との交流に他ならない。経験の全てを歴史に残すのは難しい。それでもなお、歴史を紡ごうとする意思が求められ、試されていく。その岐路にいま私たちは立たされている。

写真は、放射性物質を含んだ除染廃棄物が置かれている仮置き場を見下ろす高台で撮影に応じる開沼博さん=昨年11月、楢葉町

1日付本紙では開沼さんのほか、東京女子大4年の佐藤真理さん(22)、奈良に移住した彫刻家の安藤榮作さん(59)、空撮家の酒井英治さん(56)、震災時にフラガールリーダーだった名護由佳理(マルヒア由佳理)さん(38)、川前町下桶売志田名地区の農業大越キヨ子さん(71)、アクアマリンふくしま館長の安部義孝さん(80)、湯本駅前のコンビニ「WAI WAI SHOP」店長の小林千賀子さん(61)、フリーパーソナリティのベティさん、前豊間区長の鈴木徳夫さん(85)を紹介しています。

■あすから「本の貸出福袋」 新年にまだ見ぬ一冊に出会おう!

いわき総合図書館は2日から、小名浜、勿来、常磐、内郷、四倉各図書館は4日から、恒例となった「本の貸出福袋」の貸出をスタートさせる。図書館の本を紙袋に入れ、中身を見えなくしたものを借りるという人気企画で、福袋には図書館職員おすすめの本が3冊ずつ入っている。総合図書館は4階「一般及び児童の新着図書コーナー」で、50セット(一般向け30セット、子ども向け20セット)を用意。ほかの図書館は「おすすめ本コーナー」に福袋を準備する。各30セット(一般向け20セット、子ども向け10セット)。