2020年12月24日(木)

■<新型コロナ>いわき市で新たに2人 福島県の病床占有率は過去最高37・3%

県は24日、いわき市で23日、新たに2人が新型コロナウイルスの陽性と判明したと明らかにした。いわき市での感染確認は計65人となった。県によると、1人は10歳代男性、もう1人は20歳代女性。

男性は18日に鼻汁、21日には鼻汁と不快感を覚え、22日に県内陽性者の濃厚接触者として、医療機関を受診して検体を採取。23日にPCR検査の結果、陽性と分かった。軽症で入院中。同居家族が濃厚接触者に該当する。

女性は東京都在住で、20日に発熱と頭痛、21日にはさらに全身倦怠感を覚え、22日にいわき市の医療機関を受診。検体を採取し、23日にPCR検査によって陽性と示された。軽症で入院予定。いわき市に滞在していた理由や、職業に関しては本人の同意が得られていないとして非公表とした。

県内全体としては、19人が陽性。23日までの陽性者累計数は782人で、入院患者(予定を含む)は175人。確保病床数469床に対し、占有率は過去最高の37・3%を記録した。依然としてステージ3(感染急増)の指標の一つ「確保病床の25%以上」を越えている。

■市内公立小・中 1日遅れで終業式 さあ冬休み!

いわき市の公立小・中学校では24日、2学期の終業式が行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で、基本的に例年より1日遅れの終業式となったが、子どもたちは通知表を受け取り笑顔をみせ、年明けに元気な姿で再会することを約束した。

このうち錦東小(児童数142人、馬渕章校長)では「3密」を避けるため、放送での終業式に。馬渕校長は「(冬休みを終え)皆さんがそろって、元気な顔を見せてくれることを楽しみにしています」と語りかけ、児童代表の4人が2学期の思い出や反省を振り返りながら、冬休みの目標を発表した。

6年生の鈴木秀水君は、新型コロナで学校行事が縮小や延期になったことに触れながら、「残り少ない小学校生活を、みんなで楽しく充実した時間にしたい」と、コロナ禍で数々の制限を受けつつも同級生たちと手を携え、乗り越えていくことを誓っていた。

写真は、放送での終業式で、意見を発表する代表児童=24日、錦東小(クリックで拡大)

■4事業所がクラウドファンディング 施設修繕・新商品の開発など

いわきが誇る技術や商品、サービスを次世代に継承する事業者を応援する「『企業・ひと・技』応援ファンド」の第4弾プロジェクトに参加する4事業所が決定した。同事業は、いわき信用組合(本店・小名浜、江尻次郎理事長)が運営主体となり、4年前に立ち上げたクラウドファンディングサイト「FAAVO磐城国(ファーボいわきのくに)」を活用。今年7月から、いわき商工会議所、市、いわき産学官ネットワーク協会が連携し、応援ファンドへの支援協力を行っている。

今回のプロジェクトに参加するのは、城山平安荘(平字旧城跡)、「木村ミルクプラント」(平下神谷)、「TEA TO EAT」(平字田町)、中華料理「華正樓」(平下平窪)。クラウドファンディングサイト<こちら> での公開期間は城山平安荘、木村ミルクプラント、「TEA TO EAT」が来年2月15日、華正樓は同26日まで。詳細は下記の通り。

【城山平安荘】創業65年の旅館「平安荘」を運営する鈴木伸明・城山平安荘代表取締役によると、創業者の祖父母が暮らしていた旧館の一室を「特別室」にする修繕費をクラウドファンディングで募る。目標額50万円で、返礼品として、震災後、平字田町で始めた料亭「田町平安」で使える4千円から3万円分の商品券を用意している。

【木村ミルクプラント】創業100年を迎えた牛乳メーカー「木村ミルクプラント」は今年1月、パッケージを一新。木村俊太郎製造部係長によると、曽祖父が大正7年に開業し、100年続いた牛乳屋を次の100年間受け継ぐため、イベントやその運営費用など50万円を目標額にし、同ファンドに参加する。特殊な窯を使った「パスチャライズ製法」で殺菌した牛乳で作ったジェラートセット、牛乳、ヨーグルトなどのセットを返礼品として準備している。

【TEA TO EAT】スパイスカレー専門店の「TEA TO EAT」の和田幹之・絵美里さん夫妻は、スパリゾートハワイアンズの元バンドメンバーとフラガール。移動販売をへて、一昨年、内郷御台境町に店を構えたが、昨年秋の東日本台風(台風19号)で浸水し、休業を余儀なくされている。被災経験を踏まえ、災害時に非常食として活用できる「缶詰カレー」の開発費150万円を集めるため、同ファンドにチャレンジする。支援者には新開発のスパイスカレー缶詰コースなどを返礼する。

【中華料理「華正樓」】37年前、平下平窪で開業した中華料理店「華正樓」も台風の水害に遭った。全国の支援を受け、今年1月に再オープンした。2代目料理長の吉野康平さんによると、この台風被害を機に、力を入れた「豚まん」が好評で、新型コロナの最前線にいる医療従事者を元気づけようと、医療現場に無償で届けている。今回、目標額を100万円とし、その資金でオンラインショップやその広報資金に役立てる。支援者には食事券や豚まんのセットなどをお返しする。

写真は、全国に向けて、応援を呼び掛ける鈴木社長、吉野料理長、木村係長、和田さん夫妻(右から=クリックで拡大)