2020年12月19日(土)

■<新型コロナ>いわき市で新たに4人 福島県の病床使用率は28・4%に

県は19日、いわき市で18日、新型コロナウイルスの陽性者が新たに4人確認されたと明らかにした。いわき市での陽性者は計59人となった。1日の陽性者が4人となるのは、4月18日(市内9〜12例目)と並んで過去最多。県によると、陽性者は60歳代の無職男性、60歳代の会社員女性、40歳代の無職女性、10歳未満の女児。いずれも入院済みまたは予定。

60歳代の無職男性は14日に咽頭(いんとう)部に違和感を覚え、17日に県外陽性者の濃厚接触者と判明し、検体を採取。18日にPCR検査の結果、陽性と示された。濃厚接触者については調査中。

60歳代の会社員女性は17日に咽頭部、胃部に違和感があり、県外陽性者の濃厚接触者として検体を採取。18日にPCR検査によって、陽性と分かった。濃厚接触者については調査中。

40歳代の無職女性は17日、県内陽性者の濃厚接触者として、検体を採取。18日にPCR検査から陽性となった。症状なし。同居家族が濃厚接触者に該当する。

10歳未満の女児も17日、県内陽性者の濃厚接触者として、検体を採取し、18日にPCR検査で陽性と認められた。症状なし。同居家族が濃厚接触者に該当する。

また県内全体で、18日時点の入院患者(予定を含む)は133人で、確保病床数の469に対して占める割合は、過去最高の28・4%に上り、政府の分科会が示す基準で4段階のうち、ステージ3(感染急増)の指標の一つ「確保病床の25%以上」を超えている。内堀知事は14日、福島県はステージ2(感染漸増)に当たるとの認識を示しており、ステージ3になると、県外との往来自粛や、飲食店の営業時間短縮なども取りざたされる。

■草木台の小松さん 環境大臣表彰で大賞 ポリ乳酸評価

地球温暖化防止などに顕著な功績のあった個人・団体を称える環境省の「令和2年度気候変動アクション環境大臣表彰」の開発・製品化部門(緩和分野)で最高賞の大賞を受賞した、草木台の小松技術士事務所の小松道男所長(57)は18日、市役所本庁舎を訪れ、清水市長に受賞報告をした。

受賞テーマは「植物由来・生分解樹脂『ポリ乳酸』の先進的射出成形技術群の開発」。小松所長はトウモロコシなどの植物から抽出したでんぷんと乳酸菌を原料とし、生分解性プラスチック「ポリ乳酸」で容器などの製品量産を成功させた。これまでポリ乳酸は粘着性が強く加工が困難とされたが、金型内の温度センシング技術などにより、耐熱性や断熱性を保ち、軽量で薄型の容器生産を可能とした。開発した製品は環境規制強化が進む欧州各国などで販売を開始している。

平成17年から開発を進め、製品市場価格で対応できる成形方法を確立し、国内外で293の特許を取得。15年にわたる研究・開発成果が認められ、環境省から表彰された。小松所長によると、ポリ乳酸の製品は土壌や海水中の微生物によって、水と二酸化炭素に分解される。石油を原料とする非分解性プラスチック「ポリスチレン」1キロを、ポリ乳酸1キロに置き換えると、約2キロの二酸化炭素削減が見込まれるという。

写真は、開発したポリ乳酸射出成形品を紹介する小松所長=18日(クリックで拡大)

■アンモナイトセンター 心平と岩石まつわる展示 植村直己の進呈品も

岩石の収集家でもあった小川町出身の『蛙の詩人』草野心平にスポットを当てた、市アンモナイトセンターの冬休み企画展「草野心平と岩石〜詩人と地質」が来年1月11日まで、大久町大久の同センターで行われている。

心平は本を食いちぎり鉛筆をかじり、誰かれとなく噛(か)みついていた幼少期を、故郷の阿武隈山系にみられる大花崗岩のように「ガギガギザラザラ」だったと描写するほどで、「すべてのものと共に生きる」との共生感から、蛙だけでなく富士山、天、石なども主題にして詩を生み出してきた。今展では、心平が生前集めていた市立草野心平記念文学館収蔵の岩石20点を展示し、岩石への思いの一端が垣間見える内容とした。

心平と交流のあった冒険家・植村直己が昭和45年5月11日にエベレストに登頂した際の山頂の石をはじめ、自身が蛙の形に削り磨き込んだとみられる地元の蛇紋岩、国内では本市など数カ所でしか見つかっていない珍しい鉱物「ヘイロフスキー鉱」(八茎鉱山産)など多彩で、同センターらしく、展示されている石を基に、国内外の地質がパネルで紹介されている。

時間は午前9時〜午後5時(入館は午後4時半)。休館日は毎週月曜日と元日。問い合わせは、市アンモナイトセンター=電話(82)4561=まで。

写真は、植村直己から譲り受けたエベレスト山頂の石(手前)など、心平収集の岩石20点が並ぶ=18日(クリックで拡大)

■あすまで「いわきのめぐみフェア」 マルトSC湯長谷店

本市産農産物の魅力を知ってもらおうと、「第3回いわきのめぐみフェア」が19日、常磐下湯長谷町のマルトSC湯長谷店で始まった。20日まで。本市では10月1日から、市内の量販店11店舗で、いわき産農産物の棚「いわきめぐみ棚」を設置。市はいわきの冬野菜の魅力をPRしようと、この棚がある同店で広報活動を展開した。

初日の19日は市職員や市内の生産者ら8人がPR活動に参加。いわき産の長ネギなど冬野菜をはじめ、いわき産コシヒカリ「Iwaki Laiki( いわきライキ)」の新米などを買い物客に勧めた。会場の一角では最高賞の特賞が「長ネギと冬野菜の詰め合わせセット」の「ガラポン抽選会」を実施。対象野菜2点、もしくはいわきライキ2キロ購入者が1回、5キロ同が2回、10キロ同が3回抽選に参加できる。

写真は、抽選会に参加する買い物客=19日(クリックで拡大)