2020年12月11日(金)

■有事の備えに クレハいわき事業所 グループ含む約1450人で総合防災訓練

錦町落合のクレハいわき事業所(田中宏幸執行役員いわき事業所長)は10日、同事業所内で総合防災訓練を実施した。グループ会社の従業員を含む約1450人が参加し、自衛防災組織の機能を点検したほか、部署ごとに必要な行動に臨み、有事の際も着実に安全・安心を守れる環境を目指した。

訓練は東日本大震災などを教訓に、本県沖を震源とする震度6弱の地震が起き、大津波警報が発表。主力商品・クレラップの原料を製造するプラントで配管が破損し、ガスの漏えいと静電気火災が発生したほか、構内に要救助者が1人いる――との想定で進められた。

このうち現場のプラントでは、同事業所の常備防災隊(自衛防災隊)による消火作業に続き、高所放水車や水膜ホースを配備し、延焼やさらなる被害を防ぐ流れを確認。駆け付けた市消防本部との連携や、要救助者の搬送などにも当たった。総合防災訓練は年1回、毎年11月から12月にかけて行われ、例年は地域住民も交え、同事業所の取り組みを知る機会としているが、今回は新型コロナウイルス感染症の影響で、警察・消防関係者らの出席にとどめた。

写真は、自衛防災隊の高所放水車を使った消火訓練=10日(クリックで拡大)

■ゆったり館 女性専用スペース整備や体操フロア増設へ

市議会12月定例会は10日、一般質問最終日となり、市健康・福祉プラザ「いわきゆったり館」は利用者増加に向け、新たに女性専用の運動スペースや体操フロア増設、初心者向け運動教室の定期的開催など、環境整備を図ることと、狩野光昭議員(創世会)の追加質問に飯尾仁保健福祉部長が答えた。

市によると、これまで少数だった女性、運動してこなかった人などを取り込み、誰でも利用でき施設運営を目的に魅力的な健康づくりプログラムの開発、体組成計を活用した運動指導の実施、トレーナーに対し気軽に運動指導が求められる体制を整備する。

新しい施設内容は、本年度中に行いたいとし、施設の特色などは市公式ホームページ、SNS、広報いわきなどを使い広く周知するなど、市民の健康増進の拠点として機能させる考え。

また市議会12月定例会に関連条例議案を上程しており、同プラザの使用料が変更される見通し。これまでの会員利用6万3000円(1年間)を廃止し、1人1日単位とする。料金はビジター通常利用700円、同宿泊利用350円。回数券20回券1万2000円(1回600円)、100回券5万円( 同500円)。施行は令和3年4月1日からの見込み。

■年末年始の事故防止運動スタート いわき東、南署で出動式

10日から始まった「年末年始の交通事故防止県民総ぐるみ運動」と「年末年始における地域安全運動」に合わせ、いわき東署(金沢均署長)といわき南署(古関隆一署長)は同日、管内の交通、防犯関係機関・団体と合同で出動式と街頭での広報活動を繰り広げた。新型コロナウイルス感染症対策のため規模は縮小されたが、参加した署員、関係者たちは市民が年末年始を安全安心に暮らせるよう、事件・事故防止に向けた啓発に力を込めた。

写真は、鹿島ショッピングセンター「エブリア」で啓発チラシを配る金沢署長=10日(クリックで拡大)

■きょう未明 遠野町の住宅全焼 けが人なし

11日午前2時25分ごろ、いわき市遠野町上根本字荒神平、土建業男性(64)宅から火を出し、木造2階建て住宅1棟を全焼したほか、事務所3棟や乗用車2台を焼き、約1時間25分後に鎮火した。けが人はなかった。

市消防本部によると、火災に気付いた家人が119番通報した。いわき南署、常磐消防署遠野分遣所で焼失面積や出火原因を調べている。現場は入遠野中の裏側に位置し、未明の火災に周辺住民は不安そうな表情で消火作業を見つめていた。

写真は、2階部分が焼け落ちた住宅=11日(クリックで拡大)