2020年12月8日(火)

■<新型コロナ>いわき市で新たに1人 市内の陽性者は計50人に

県は8日、いわき市で7日、新型コロナウイルスの陽性者が、新たに1人確認されたと明らかにした。いわき市では計50人となった。県の担当者が8日午後、福島市の県庁で記者会見を行い、経緯などを説明した。

県によると、陽性となったのは30歳代の会社員男性。5日に発熱、咽頭(いんとう)痛があり、6日には発熱、味覚・嗅覚障害、咳、たん、けん怠感を覚え、医療機関を受診。7日にPCR検査の結果、陽性と判明した。軽症で入院済み。同居家族が濃厚接触者に当たる。現時点で感染経路は不明という。

■次は小名浜の買い物支える 10日から「トイボ」運行

国交省が推進している低炭素型モビリティ(乗り物)「グリーンスローモビリティ」の実証実験が10日から来年2月9日まで(年末年始除く)、小名浜の湘南台や岡小名地区で展開される。国交省と環境省の「IoT技術等を活用したグリーンスローモビリティの効果的導入実証事業」の採択を受けた取り組みで、本市での実証実験は3カ所目。

グリーンスローモビリティは環境に優しく、小回りが利きやすい時速20キロ以下で公道を走る4人乗り以上の電動パブリックモビリティで、地域が抱える交通課題の解決、低炭素型モビリティの普及を目標とした実証実験となる。今回の実験は、車なしでは買い物などが厳しい地域の移動手段確保に寄与するかどうかを実証することが目的で、マルト岡小名店、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」、イオンモールいわき小名浜をはじめ各店舗、施設など24カ所に乗降ポイントを設置する。

期間中は午前8時半から午後3時半まで、事前予約に応じる形で運行する「デマンド型運行」を行うほか、乗車証明書を特典加盟店に掲示することでさまざまな特典を受けられる。

運行するのは、今回も『トイボ』の愛称で親しまれている電気自動車(EV)「eCOM―8」。6日の試乗会では住民約20人が乗り心地を体験し、湘南台の大井輝子さん(81)は「乗ってみるとあまり遅いとは思えず、案外早かった。これまで買い物は行きは歩き、帰りはタクシーだったので、行きやすくなったことがうれしい」と喜んだ。

運賃は片道100円(小学生以下無料、キャッシュレス可)。予約申し込みは、いわきタクシーグループ=電話(54)4649=か、専用サイト<こちら>まで。

写真は、6日に行われた試乗会の様子(クリックで拡大)

■津波被災地の空き地バンク 95件中18件成約 市議会12月定例会

市議会12月定例会は7日、一般質問が始まった。東日本大震災の津波被災地区の地域活性化と定住の促進を図るため、今年4月末から運用を開始し、市が土地所有者と購入希望者の橋渡し役をする「空き地バンク」事業の運用状況を示した。それによると、登録件数は95件で、うち約2割にあたる18件が成約している。鈴木演議員(自民党一誠会)の質問に高田浩一都市建設部長が答えた。

同事業は津波で被災した震災復興土地区画整理事業を行った、久之浜、薄磯、豊間、小浜、岩間5地区で実施。土地の有効活用を図ろうと、市がホームページなどで空地に関する情報を提供している。

市によると、登録の内訳は久之浜が19件、薄磯が31件、豊間が42件、岩間が3件で、成約した18件は久之浜1件、薄磯3件、豊間14件。市が整備した5地区の全宅地は838区画で約4割にあたる353 区画が未利用となっている。

市は今後も利用率を高めるため、登録件数を増やすため、未登録の土地所有者に新規登録を促す。併せて、成約件数を増やすため、市内外の購入希望者に対し、市ホームページでの広報のほか、パンフレット配布、SNS(会員制交流サイト)などを利用し、市内外への情報発信に取り組む考え。

■アクアマリンの「バショウカジキ」死す 世界唯一の展示 再開目指す考え

世界唯一の展示となり、話題を集めてたふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」のバショウカジキが5日、亡くなった。水槽の壁に衝突したことが要因とみられ、展示期間は世界で初めて飼育展示に成功した平成21年時に比べ、20日短い55日間だった。

バショウカジキは、高速で泳ぐ際のブレーキとして大きな背びれを広げることが特徴の魚だが、その習性から体表が傷つきやすいためか飼育は困難で、飼育展示を成功させたのは同館のみとなっている。

同館では水槽内で「食う・食われる」の関係を再現しようとバショウカジキの展示に挑戦しており、11年ぶりとなる今回は新潟県佐渡島沖で採集した個体を展示。飼育開始早々に吻(ふん)が折れてしまう事態が発生したものの、餌の食いつきは良く、最終的には体長69・3センチと、搬入時より14・3センチの成長を見せていた。

同館では衝突の原因について調査を続けており、飼育を担当していたふくしまの海グループ黒潮・サンゴ礁チームリーダーの藤井健一さん(44)は「これまで吻が折れても元気に餌を食べていたので非常に残念」と語りつつも、再展示に向けて前向きな姿勢を見せていた。

写真は、元気に泳ぐ姿を見せていたバショウカジキ(アクアマリンふくしま提供=クリックで拡大)