2020年12月4日(金)

■小川町のボタニカルアーティスト・志賀さん 実物さながらの植物画など一冊に

小川町上小川のボタニカルアーティスト志賀美恵さん(68)はこのほど、高校時代から始めた絵画と10年前から描き続けているボタニカルアート、そして英国留学で学んだ語学や植物学の成果をまとめた画集「身近な植物と薬効 イラストとエッセイ」を自費出版した。

志賀さんはいわき市平生まれ。子どものころ、生家の庭には祖父が手入れしていたきれいな花が四季折々に咲いて植物を身近に感じ、父親が油絵を描いたこともあって自身も高校時代に日本画を描いた。植物を実物さながらに細密に描くボタニカルアートは、泉町在住の絵画講師冨田武子さん(本紙で「いのちを描く〜ボタニカルアートの世界〜」を連載中)との出会いをきっかけに平成22年から取り組んだ。

翌年の東日本大震災で沖縄に避難した際には那覇市の美術学校に通い、地元の画家やアーティストの支援を受けて英国留学のチャンスをつかんだ。同24年から27年まで3期にわたり滞在したロンドンの専門学校では、顕微鏡で断面をのぞきながらボタニカルアートに取り組んだり、語学や植物学を学んだ。帰国後は市内や沖縄、茨城などで個展を開いている。

今回の画集はこれまでの集大成としてまとめたもので、サクラやバラ、シクラメン、ナンテン、クチナシ、ドラゴンフルーツなど26種類の植物の細密画と特徴、それらにまつわるエピソード、薬効について記した。巻末ではそれらを写真付きで自ら英訳した。市内の書店で販売しており、売り上げは全額、東京の国立がん研究センターに寄付する。A4判87頁・雄峰舎(平の八幡印刷出版部)刊・2970円。

写真は、出来上がった本を手にする志賀さん(クリックで拡大)

■高校新人バスケいわき地区大会 あす四倉高で開幕

令和2年度県高校新人体育大会バスケットボール競技いわき地区大会が5日、四倉高で開幕する。連合を含む男子12校・11チーム、女子11校・10チームが出場。7日までの3日間、男女別にトーナメントで優勝を争う。

大会は新型コロナウイルスの感染対策として、無観客で行われる。初日の5日は男女の本戦1、2回戦を実施。2日目の6 日、男女の本戦準決勝、敗者復活トーナメントの1、2回戦を行う。大会は7日に最終日を迎え、男女決勝と第3、4、第5代表決定戦が行われる。男女各上位5チームは来年1月9日、福島市のあづま総合体育館などでの県大会に出場する。

表は、いわき地区大会の組み合わせ(クリックで拡大)

■勿来発電所のライトアップ 25日まで「クリスマスツリー」に

佐糠町の常磐共同火力勿来発電所(柏原達之所長)で、月替わりやイベントごとに、煙突の夜間ライトアップを施す「勿来ゆめライト」。12月は勿来工業高の生徒たちの発案で、クリスマスをテーマに、ツリーを模した赤、青、黄の3色に彩られている。

同発電所では地域貢献活動の一環として、工場夜景をいかした本市の地域観光の魅力向上につなげようと、一昨年末から毎月、高さ200メートルの8・9号機の集合煙突を、福島高専の学生や地元の高校生の協力を得てライトアップしている。点灯時間は午後5時〜11時となり、クリスマスの配色は25日まで(15、23日は除く)。

写真は、クリスマスツリーを模したライトアップ=3日(クリックで拡大)

■常磐の市営住宅で母子刺される 40歳代息子は死亡 知人の男逮捕

いわき市常磐上湯長谷町地内の市営住宅で4日早朝、40歳代の男性と、同居する70歳代の母親の首や胸を切りつけて殺害しようとしたとして、いわき中央署は同日午前5時2分、いわき市内郷高坂町砂子田、無職男(40)を殺人未遂の現行犯で逮捕した。40歳代の男性はその後死亡が確認され、同署では今後容疑を殺人に切り替え、男を厳しく追及する方針。母親は大けがを負い市内の病院に運ばれたが、命に別状はないもよう。

逮捕容疑によると、男は同日午前4時半ごろ、同市常磐上湯長谷町扇田地内の市営住宅で、母子の首、胸などを刃物で切りつけるなどし殺害しようとした疑い。同署によると、男と母子は知人で、犯行当時家には3人でいたといい、口論となって男が刃物で男性の首や胸複数カ所を切りつけたり刺すなどし、止めようとした母親も首、胸などを刺された。

男性から110番通報を受けた署員が駆け付け、男と倒れている親子を家の中で発見。血の付いた刃物があり、現場の状況から男を取り押さえた。刺された男性は発見当時、意識がなく、その後同署で死亡が確認された。男にはけがはない。

現場はJR湯本駅から南西に約1・3キロ。湯本高近くの湯長谷川沿いに立ち並ぶ市営住宅の一角。建物は2階建てで、6戸で1つの集合住宅を構成しているとみられる。

写真は、事件を受けて現場を調べる捜査員=4日(クリックで拡大)