2020年11月30日(月)

■<新型コロナ>いわき市で新たに1人 感染経路不明 市内の陽性者は計47人に

県は30日、いわき市で29日、50歳代の会社員男性が新型コロナウイルスの陽性と判明したと明らかにした。市内の陽性者は計47人に。また同日までの県内の累計陽性者は500人を超え、501人となった。県の担当者が30日午後、福島市の県庁で記者会見を行い、感染の経緯等を説明した。

県によると、男性は28日に発熱や関節痛などが生じ、医療機関を受診。29日にPCR検査の結果、陽性と示された。軽症ですでに入院済み。現時点で感染経路は不明。濃厚接触者については調査中とした。

■JFL最終戦 いわきFC敗れてJ3昇格逃す

日本フットボールリーグ(JFL)の最終戦・第30節が29日に行われ、いわきFCは宮崎県に乗り込み、先にJ3昇格を決めたテゲバジャーロ宮崎(宮崎)と対戦したが、幾度も決定的チャンスを迎えながら一度もゴールネットを揺らすことができず、0―3で力尽きた。最終順位は7位。J3昇格圏内の4位にわずか勝ち点1足らず、今季の昇格は消滅した。

<鈴木「たらればはない」 田村監督は浜通りの人に熱狂空間を>

J3入りにあと一歩及ばなかったいわきFCイレブン。試合終了のホイッスルが鳴ると、グラウンドに座り込んだり頭を抱えるなどして悔しさをにじませた。前半6分、左からのクロスに右足を伸ばしたボールがポストを叩き、先制のチャンスを逃したFW鈴木翔大(27)は「決めきれなかったところはストライカーの責任」と悔やみ、「宮崎は決めるところを決め、守るところを守る安定感のあるチーム。そういうチームが上に上がっていくのかな」とJ3昇格を決めた相手をたたえた。

シーズンを通じて、あと1勝していれば昇格できたという結果については「勝負に『たられば』はない」ときっぱり。「運動量とかパワーとか、チームとして通用した部分はある。事実を反省して前を向き、ブラッシュアップして来季に挑みたい」と決意をにじませた。

「勝ちに行かなければいけない状況の中、前半に1点を取られ、いつも以上にうちらしくないというか、ボールが前に入らなかった。選手の勝ちたい気持ちや緊張もあった」。田村雄三監督は時折、声を震わせて敗戦を振り返った。「選手は一生懸命戦った。最終節まで(J3に)上がれるか、上がれないかという状況を作ったのは選手の力」と語り、「上がれなかったのは単純にぼくの力不足」と頭を下げた。

昇格を喜ぶ宮崎のセレモニーを横目に「ここで喜ぶことができたら良かったが、こういう風になったこともクラブ力。これがクラブの歴史」と前を向き、宮崎まで足を運んだサポーターや地元で声援する市民に感謝しながら「浜通りの人に熱狂空間を提供できるようにしたい」と誓った。

写真は、前半6分、左からのクロスに右足を合わせてシュートする鈴木翔大=29日(クリックで拡大)

<アウェー宮崎にサポーター駆け付ける 来季こそは!>

サッカーJ3入りを懸けた、JFL最終戦の敵地スタンドが赤く染った――。いわきから直線距離で南西に約1000キロ離れた、テゲバジャーロ宮崎のホーム宮崎県総合運動公園陸上競技場。いわきFCサポーターの思いを乗せた各選手の横断幕が掲げられ、ゴール裏から選手を鼓舞した。

試合開始2時間前から横断幕を掲出する人の姿があった。チームが始動した2016年春以降、ほとんどすべての公式戦を訪れている平の本多滋(65)、順子さん(64)夫妻。「大切な試合だから」と、アウェーでは普段、掲げないという個人用横断幕を持ち込んだ。

この日のいわきFCサポーターは本多さん夫妻をはじめ13人。いわきで声援を送る多くの市民の思いを代弁するため、22日のホーム最終戦後にカンパを募り、横断幕約30枚をトランク2個に入れて宮崎へ空輸した。

滋さんは「完全アウェーだが、いわきに残ったみんなの思いを伝えることができた」と笑顔。この日は6時に起床、宿泊ホテル近くの宮崎神社で昇格祈願して会場入りした。0−3の結果に「悔しい」と滋さん。「立ち上がりが良かっただけに得点できていれば」と悔やんだ。それでも「昇格1年でJ入りするには難しいカテゴリーだと分かった。今季の課題を克服して、来季はJ3に連れて行ってもらいたい」と期待した。

写真は、JFL最終戦のいわきFCに声援を送るサポーター。右2人が本多滋、順子さん夫妻=29日(クリックで拡大)

<アリオスではPV開催 いわきから思い届ける>

いわき芸術文化交流館「アリオス」では29日、最終節の試合に合わせ、まちポレいわきの協力を得て巨大スクリーンを設置し、パブリックビューイングを開催した。アウェーの宮崎県開催で、遠征が難しいサポーターや市民のため企画された。

会場には約90人が詰めかけ、スクリーン越しに選手たちの活躍を真剣な表情で見守り、声援に代わり拍手でエールを送った。ハーフタイムには現地とネット中継し、ピッチに入る選手たちに向けて盛大な拍手。試合終了後、会場には選手たちに向けた健闘をたたえる拍手の音が鳴り響いた。

写真は、いわきアリオスから声援を送るサポーター=29日(クリックで拡大)