2020年11月10日(火)

■19日に江名中で宇宙飛行士・古川聡さん講演会 子どもたちにエール 一般聴講可

永崎女性の会(高久香代子会長)主催の第7回地域交流会「JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙飛行士講演会」が19日、江名中体育館で開かれ、JAXA宇宙飛行士の古川聡さんが「宇宙開発の今と未来〜未来の主役は君たちだ〜」と題して講演する。江名公民館、江名地区区長会、永崎区、市など後援。

同会は震災をきっかけに発足し、7年目を迎える。永崎小、江名中で読み聞かせや、同中の生徒も参加しての花植え交流会を催しており、今回は同中の生徒や教職員に感謝の気持ちを込めて夢や希望を贈ろうと、企画された。

講師を務める古川さんは神奈川県横浜市生まれで、医師としての経験を生かして、JAXAの宇宙飛行士に応募し、平成11年に星出彰彦、山崎直子さんとともに採用となった。震災発生から約3カ月後、同23年6月に初めて宇宙飛行に挑み、およそ5カ月におよび国際宇宙ステーションに滞在。現在はJAXA宇宙医学生物学グループ長として、宇宙医学研究を推進している。

時間は午後1時半〜2時45分(開場同1時)。入場無料だが、聴講は事前申し込み。問い合わせは、同女性の会・高久会長=電話090(1934)9729=まで。

チラシは、古川さんの講演会をPRする内容(クリックで拡大)

■きょう未明 遠野の瀧元寺から出火 けが人なし

10日午前1時35分ごろ、いわき市遠野町大平字物見岡11、瀧元寺=火元責任者・舘野謙次住職(57)=の木造2階建て住宅部分から火を出し、家屋1棟約125平方メートルを全焼し、約2時間40分後に鎮火した。けが人はなかった。(本紙より追記しました)

いわき南署、常磐消防署遠野分遣所によると、火災を発見した家人が、119番通報した。出火当時は舘野住職ら6人がいたが、いずれも逃げて無事だった。両署は詳しい出火原因を調べている。現場は市遠野支所から北西に約3・4キロに位置し、県道いわき・上三坂・小野線にほど近く、周囲には田んぼや民家が広がっている。

写真は、現場で行われた消火作業=10日午前2時56分(クリックで拡大)

■東邦銀行植田支店の次長 前任のいわき営業部で300万円着服

東邦銀行は9日、植田支店(植田町)の男性融資渉外次長(51)が、前任のいわき営業部(平字三町目)に在籍していた際、本来定めのない手数料など、計299万6800円を着服していたと公表した。同行は全額弁済する方針を示しており、男性の懲戒処分や、いわき中央署への刑事告訴を検討している。

同行によると、男性は平成29年から今年10月、いわき営業部の融資渉外課長代理として、18の法人と個人客4人の計47件で、「投資信託口座管理手数料」ほか存在しない手数料を受け取ったり、規定の手数料に関しても5〜6倍の金額を請求するなどして着服した。

顧客から10月21日に問い合わせがあり、同行が調査を進めていた。男性は生活費や遊興費、借金返済に充てていたと説明している。同行では「法令等順守の徹底、内部管理態勢の一層の充実・強化を図り、信頼回復と再発防止に向けて、全行あげて取り組んでいく」とコメントしている。

■<寄稿>「ウバザメ」化石 いわき以外で国内報告例無しの発見

四倉町・鈴木千里さん(日本古生物学会員=鈴木製麺代表取締役)の寄稿になります。全文は10日付12面をご覧ください。

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現生の魚類は約3万種と言われている。ウバザメ(学名 Cetorhinus maximus)は南極・北極両極付近から温帯沿岸域まで生息しており、熱帯付近の海域よりは特殊な例を除いて生息はしていない。生態はおとなしく無害なサメである。

えさの捕り方は大きな口を開けて、海中に生息するプランクトン等を海水と共に取り込み、数千本あるとされる剛毛状の鰓耙=さいは=(剛毛状の長いもので、大量のプランクトンなどを海水と共に取り込み、濾過=ろか=して食する時に使用する器官)にて、海水を濾過してプランクトンを食している。

ウバザメは最大サメのジンベイザメに次いで、第2位の大型サメであり、大きさは3〜8メートルになる。雄の成熟年齢は13〜16歳、寿命は約40歳であろうとされている。サメは寿命まで成長するので、ウバザメも10メートルを超える個体が生息していてもおかしくはない。

今回のウバザメ化石は2003年11月頃に、いわき市平中山付近の道路工事の際に発見された。この地域の地質時代は、新生代中新世白土層群中山層(約1500万年前)とされ、大量の貝化石を産出することで有名である。

貝化石とともに、3個の椎体=ついたい=(脊椎骨)・1個の椎体の印象部(キャスト)の化石が見つかった。国立科学博物館研究員・上野輝彌博士が調べてみると、このウバザメは約16歳であると。成長年輪数からすると、成年個体であろう。体長サイズも大型と推定することができる。

サメは軟骨魚類であるので、軟骨は化石になる前に腐って分解され、椎体、鰓耙などが化石として残る例は少ない。この標本は椎体、鰓耙が同時に産出しており、非常に貴重な標本であるとの意見をいただいた。同時産出は国内では報告例がない。今後、ウバザメ化石の体長検証や生息環境、堆積過程について調べてみる価値のある標本である。

写真は、ウバザメが泳ぐ姿。左上は見つかった鰓耙の化石(クリックで拡大)