2020年11月4日(水)

■秋の味覚ようやく けさ小名浜港にサンマ初水揚げ 刺し身や焼き魚でぜひ

小名浜港で4日朝、三陸沖約322キロ地点で漁獲された「秋の味覚の代表格」サンマ約20トンが初水揚げされた。昨年より2週間早いが、ここ数年記録的な不漁が続いており、昨年に引き続き、初水揚げが11月にずれこむのは異例だ。水揚げしたのは“福島船団”の「第18鹿島丸」(総トン数198トン、乗組員17人)=北海道所属=で、例年よりひと月以上の水揚げにもかかわらず、待ちわびた漁業関係者の熱気で活気づいた。中型が中心で、市内のスーパーなどで販売された。

第18鹿島丸の鈴木剛男漁労長(47)によると、漁獲したのは2日夜から3日朝にかけて。数こそ少なかったものの、まとまった魚影があった。水揚げしたサンマは120〜130グラムほどで、型や脂の乗りは良い。入札価格は1キロあたり541〜461円と、例年の1・5倍になる“ご祝儀相場”となった。

買い付けに訪れた、上野台豊商店(小名浜字吹松)の上野台優代表取締役(44)は「刺し身や焼き魚など、どのような調理方法でもおいしく食べられる」と太鼓判を押した。「値段も落ち着いて食べごろなので、まだ食べてない方にぜひ食べてほしい」と待望の水揚げににっこり。地産地消を呼びかけた。

写真は、小名浜港で行われたサンマの水揚げ=4日(クリックで拡大)

■秋の叙勲 いわき市からは10人に贈られる 晴れの受章

政府は3日付で、令和2年秋の叙勲を発表し、全国で4100人、福島県(ゆかりを含む)は77人、いわき市では10人が受章した。元市議の阿部広さん(73)=植田町=に旭日小授章、元市消防長の渡辺徹矢さん(70)=常磐上湯長谷町、元県立安積高校長の鈴木仁さん(70)=平下大越=に瑞宝小綬章が贈られた。

<元市議・阿部広さん いまも地域振興に心砕く>

「あなたの声、あなたの足」をキャッチフレーズに、市議5期17年、県議2期6年を務めた阿部広さん。南部地区の振興のため、現場主義を貫いてきた。植田町出身。磐城高、千葉商科大商経学部卒。家業の飲食業を経て、平成4年の市議選で初当選を果たした。子どもたちの健全育成を念頭に、現在の新舞子多目的運動場の整備に尽力した。市ソフトボール協会長も兼ね、指導者の声を拾いながら、実現への道筋を付けたと振り返る。

平成21年の県議補選に名乗りを上げ、県政に転じた。東日本大震災では被災した地元のため、現地調査や意見交換に奔走。原発事故による避難者との交流も後押しし、パークゴルフ場の設置を県議会一般質問で取り上げた。これをきっかけに、鮫川河川敷公園に新たなコースが完成した。

3期目を目指した平成27年の県議選では落選したが、いまも市井の立場から地域を考える。勿来地区体育協会長や、鮫川漁業協同組合代表理事組合長に就いており、より良い社会に向けた環境整備に余念はない。阿部さんは「受章は皆さんのおかげ」とし、「これからの政治家には、いわき市を飛躍させてほしい」と期待を寄せた。

写真は、市ソフトボール協会50周年に際し、贈られた功労賞のボールを手にする阿部さん(クリックで拡大)

<元市消防長・渡辺徹矢さん 忘れらない震災経験>

渡辺徹矢さんは常磐上湯長谷町出身で、磐城高、法政大工学部卒業後、昭和48年に消防士を拝命した。勿来消防署を振り出しに市消防本部総務、予防課長、小名浜消防署長、同本部次長などを歴任し、平成22年に消防長に就いた。無事に勤め上げ、退職を間近にした翌年3月11日、東日本大震災に遭遇する。「想像がつかないほどの災害だった」。

津波被害の酷さに声を失いながらも気を奮い立たせ、同本部の災害対策本部で現場の実態把握や人命救助の指揮にあたる一方、山間部の隊員を最前線の署に組み込むなど、体制の充実を図った。38年と2カ月の消防人生の多くを総務畑で過ごし、未来を担う若手職員の知識と技術向上に向けて資格試験を促すなど、人材育成の基盤整備に尽力。平消防署中央台分遣所の開所や川前分遣所への救急車配備にかかわり、老朽化した内郷消防署の移転問題にも切り込んだ。

数多くの経験を積んだが、やはり一番心に残ったのは、震災。「震災では市長のもとで各機関が連携し、市民の救護に懸命だった」と振り返る。それだけに今回の受章は感慨深く、「消防関係者のご支援や家族の支えのたまもの。光栄だ」と笑顔をみせた。

写真は、消防人生を振り返り充実した表情をみせる渡辺さん(クリックで拡大)

■7日まで 中央台公民館で「菊花展」 本社賞は池田さんの作品

菊友会主催の第4回「菊花展」が7日まで、中央台公民館で開かれている。会場には会員が丹精込めた盆養、ダルマ、福助など約200点が並び、来場者の目を楽しませている。展示に先立ち、全日本菊花連盟公認審査員の北郷茂夫同会長ら3人が審査を行い、市長賞に鵜沼利一さん「国華越山」、いわき民報社賞に池田義明さん「フェルディ」など各賞を選んだ。時間は午前9時〜午後5時(7日は同2時まで)。

写真は、中央台公民館で開かれている菊友会展=3日(クリックで拡大)