2020年11月2日(月)

■小名浜の松本さんに黄綬褒章 塗装業の精励たたえて 品質管理・安全第一心がけ

長年にわたり社会奉仕や業務功労、学問や芸術などで功績のあった個人、団体などに贈られる秋の褒章が2日に発表され、全国で775人、県内では17人、1団体が受賞した。本市からは松本塗装店代表取締役の松本俊一さん(68)=小名浜=が業務精励で黄綬褒章に選ばれた。

松本さんは小名浜中町生まれ。湯本高、日本大商学部経営学科卒業。昭和50年から郡山市の二瓶塗装で2年間就業したあと、「松本塗装店」に入社し、専務取締役を経て、平成8年に父から代表取締役を継承。品質管理、安全第一を心がけて、市営・県営住宅、市文化センター、復興公営住宅などの工事に携わりながら、規則の改訂など安定した就業環境整備にも努めた。

熱心な後進の指導により、これまで社員が優秀施行者建設大臣顕彰、市技能功労、優良技能功労表彰などさまざまな賞を受け、自身も平成26年に建設事業者関係功労者等国土交通大臣表彰を受賞した。平成25年に下請けとして、東日本大震災の津波で被害を受けたいわき海星高の1階復旧工事に関わったことが思い出に残っており、生徒の授業時間なども考慮しながら校舎の塗装を行った。

現在は全国マスチック事業協同組合連合会の理事、日本塗装工業会の東北ブロック会長などを務め、職人の塗装技能向上、安全管理、業界の活性化に取り組んでいる。

【松本さんの話】家内や社員の協力を得て、外の業界と関われたことが受賞につながったと考えている。今後も建設業界全体の力を付けて、社会的地位を高めていきたい。

写真は、塗装業界の振興を改めて決意する松本さん(クリックで拡大)

■「とよまの灯台文化祭」開催 有志が塩屋埼の魅力発信

1日の灯台記念日に合わせ、「とよまの灯台文化祭2020」が同日、塩屋埼灯台で始まった。灯台内の特設会場では3日まで、管理する福島海上保安部の海上保安PRコーナーや、「灯台絵画コンテスト」(橙光会主催)の作品展示、郷土史に詳しい緑川健さん=小泉屋文庫(四倉町)主宰=による塩屋埼特別資料展などが催されており、行楽客に限らず市民が次々と訪れ、本市を代表する白亜の灯台の魅力や歴史、役割、周辺地域への理解を深めている。

昨年は、塩屋埼灯台が明治32年に点灯を開始してから120年を迎え、12月には記念ライブ、同灯台と銀河鉄道999の登場人物などを描いた漫画家松本零士さんのイラストが披露されるなど、多くの来場者を喜ばせた。節目を機に、地元有志などで作る「とよまの灯台倶楽部」が発足。今回が発足後初の活動となり、メンバーたちはアイディアを出し合いながら、イベントに向けて準備を進めてきたという。

コロナ禍のため感染拡大防止に配慮し、3日には灯台麓の雲雀乃苑に設けたステージで、本市出身の“弾き語りガール”さかいかのさん、ボーカルトレーナー大多喜健太郎さんらによるライブ、地元豊間小の鼓笛演奏、豊間中生徒のソーランなどの中継を、午後4時10分から「ユーチューブ」でオンライン配信する。

灯台内の特設会場では、郷土史をテーマにした魅力ある話題を本紙に提供している、緑川健さん監修の特別資料展も開催。しゅん工して間もない初代灯台の貴重な写真や絵はがき、本市にゆかりの深い詩人山村暮鳥が塩屋埼を題材とした詩「岬」の解説(吉田隆治いわき地域学會代表幹事著)、灯台をモチーフにした映画「喜びも悲しみも幾月年」のパンフレットのコピーなど貴重な資料が飾られている。

写真は、来場者の関心を集めている塩屋埼特別資料展=1日(クリックで拡大)

■福島ベースボールプロジェクト発足 あす楢葉で主催イベント

野球競技の普及・振興事業などに取り組む「福島ベースボールプロジェクト(FBP)」(代表理事・磯ア邦広小名浜二中教)がこのほど、全国でも珍しい現役教員が役員を務める「一般社団法人」として本格始動した。同法人は3日、楢葉町総合グラウンド野球場で開催する、今や全国区となった本市発祥のニュースポーツ「キャッチボールクラシック」の県大会を主催。野球の競技振興を図りながら、地域スポーツの社会的基盤づくりに一役買う。

現役教員が役員を務めるという前例が少ないケースのため、法人格を取得するため、市教委などと交渉を重ね、今年5月、同法人を設立。趣旨に賛同した元植田東中校長の佐藤友昭植田中教諭(61)、磯ア代表理事に次いで、同選抜チームの監督を歴任した、長谷川祐剛元平一中教諭(59)が両理事として支える。

同法人は、「高校野球200年構想」の実現に向け、同プロジェクトは「普及」「振興」「けが予防」「育成」「基盤作り」の5項目を主に活動。軟式野球部の中学3年生を対象とした硬式球を使った野球教室を開くほか、普及活動として、未就学児らを対象とした野球遊び、大会などを支援する。このほか、女子を対象とした野球教室などを催し、野球未経験者に球技にふれる機会をつくる。

写真は、スポーツ振興に一役買う長谷川理事、磯ア代表理事、佐藤理事(左から=クリックで拡大)

勿来・五浦庭園CC 国内男子ゴルフの特別大会 比嘉が優勝飾る

国内男子ゴルフのエキシビション大会「ISPS HANDA コロナに喝!! チャリティーレギュラートーナメント」は10月31日、勿来町の五浦庭園カントリークラブ(CC)= 7084ヤード、パー72=で決勝ラウンドが行われ、比嘉一貴(25)が16アンダーで優勝を果たした。

比嘉は予選ラウンドの初日、2日目ともにトップに付け、いずれもノーボギーだったが、1番からボギーをたたく展開に。途中で追いつかれるも、7バーディー・3ボギーの68で優勝を果たした。比嘉は「優勝争いの緊張の中で考えすぎた。でもバーディもたくさん獲れたんで」と振り返り、「3日間風がある中、いいプレーができた」と優勝を喜んだ。

大会は新型コロナウイルス感染症の影響で、大会中止が相次ぐ男子ゴルフを応援するため、国際スポーツ振興協会(ISPS)が主催し、日本ゴルフツアー機構(JGTO)が共催した。賞金総額5300万円(優勝賞金1000万円)のうち、10%が地元医療機関に寄付される。

写真は、大会名物のグリーン羽織りと優勝かぶとを身に着けた比嘉。右は半田晴久ISPS会長、左は青木功JGTO会長(大会提供)=10月31日(クリックで拡大)