2020年10月24日(土)

■<新型コロナ>いわき市で新たに60歳代の男性が陽性 感染経路は不明 計33人に

県は24日、いわき市で23日、新たに60歳代の男性が、新型コロナウイルスの陽性者と分かったと明らかにした。県が24日午後2時から、記者会見を実施し、症状や経過について公表した。いわき市では計33人目となる。

県によると、男性は22日に37・5度の発熱と悪寒を確認。23日には38・0度となり、医療機関を受診し、PCR検査の結果、陽性と判明した。陽性者との接触は確認されておらず、感染経路は不明という。軽症ですでに入院している。同居家族が濃厚接触者とされ、そのほかに関しては調査中とした。職業に関しては、本人の同意が得られておらず非公表。

■サブカルで障がい者らに就労を 小島町に事業所開設

“サブカルチャー(サブカル)”で障がい、疾病者に就労機会を――。福島初進出となる就労継続支援B型事業所「サブカルビジネスセンター福島」が9月、小島町に開所した。世界的にも評価の高い日本のアニメや漫画、イラスト、ゲームといったサブカルに特化した障害福祉サービスで、大手専門校の教諭経験者の手ほどきを受けて技術を高め、収益を生み出していく。身障者に限らず、社会的に問題となっている“引きこもり”から脱する一筋の光明として、若者たちの注目を集めている。

事業所を運営するのは人材派遣、建設、警備業を手掛けるザ・ラッキーリレーション(本社・平字愛谷町)。細川徹代表取締役(55)は脱サラ後に起業し、がむしゃらに事業を進める中で身障者を家族に持つ就労者と数多く接してきたという。福祉施設の多い平・平窪地区に住まいを構えることから福祉関係者と接する機会も少なくなく、社会に貢献したいとの思いは次第に強くなっていった。

市民権を得てきたサブカルに着目し、広島県広島市に本事業所を置くサブカルビジネスセンターに相談。国内最大手のサブカル専門校で20年にわたり教諭を務めるなど、業界事情に明るい運営会社社長の山田智浩さん(51)と意気投合し、1年足らずで福島事業所の開設にこぎつけた。

同事業所では、利用者が作り出すアニメや漫画、イラストなどの技術を一般企業に売り込んで仕事を得る、または、今大きな注目を集める動画の仮想タレント「バーチャルYouTuber(Vチューバー)」を立ち上げたり、自ら声優やイベントスタッフ、ネットショップ経営者、模型・フィギュア原型師などになるなど、自立していくための支援を行う。

開所から2カ月足らずで20人ほどの利用があるといい、その多くは20、30代。中には2年間全く就労せず引きこもりだったが、利用を始めてからは毎日通うようになり、家族を驚かせている事例もある。問い合わせは、同事業所=電話(38)5225=まで。

写真は、サブカルビジネスセンターの様子。現在、20人ほどがサブカルの技術を学ぶ(クリックで拡大)

■海洋放出決定は来月以降に 原発処理水 政府は安全性の理解求める

東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質を含む処理水の処分を巡り、政府は、月内を予定していた海洋放出の決定が来月以降にずれ込む可能性を明らかにした。地元や関係者から寄せられた意見を踏まえ、国内外に安全性を理解してもらえるよう検討を深める。

梶山弘志経済産業相は23日の閣議後の記者会見で、今月27日に決定するとの一部報道に関し、「27日に政府方針は決定しない。決定のタイミングを伝えられる段階にない」と述べた。処理水が原発施設内の最大保管量に迫りつつあることから、「ある程度時間が限られている」とも語り、早期に決断する必要性があるとの考えを改めて示した。(読売新聞社配信)

<県漁連・野ア会長「本格操業とは別議論」 市漁協からは反発も>

県漁業協同組合連合会(県漁連)の地域漁業復興協議会が23日、中央台飯野の県水産会館で開かれた。野ア哲会長は終了後、報道陣の取材に応じ、福島第一原発の処理水を巡る問題で、政府が海洋放出の決定を見送った件に対し、「海洋放出に反対の立場は変わらない。本格操業に向けての議論に影響させたくない。私たちに漁業をやめる選択肢はない」と述べ、来年4月を目標にしている本格操業と、海洋放出に関しては別々に考えていく意向を改めて示した。

地域漁業復興協議会では本格操業に当たって、各漁業協同組合(漁協)に対し、工程表を作成することを了承した。それぞれで操業日数や対象魚種などの課題について確認してもらう。ただ本格操業に対する意見の相違もみられた。市漁協の江川章組合長は「政府は海洋放出ありきと感じる中、まずはこの問題を話し合ってから、本格操業の議論を行うべきでは。知り合いから、もし海洋放出したならば、『魚なんか食べないよ』と言われた」と語気を強めた。

■きょうまで「秋の喰酒祭」開催中 おいしい日本酒飲みに来て! 平中央公園

いわき市の飲食店や酒蔵が連携したイベント「秋の喰酒祭(しょくしゅさい)」が23日、平字三崎の平中央公園で開幕した。出店者で構成された「秋の食彩実行委員会」によると、日本酒の供給量が落ち込み、酒蔵が在庫を抱えているため、来年の新酒造りが難しいと、同じく苦しい状況の飲食店関係者が聞きつけ、共に苦境を乗り越えるためにイベントを企画した。24日までの2日間の日程で行われている。

「又兵衛」で知られる四家酒造店(内郷高坂町)の代表社員・四家久央さん(50)は、「日本酒を飲んでもらう機会が減ってしまい、今のままでは新酒を造ることはできない。こういう場を通じ、多くの方に飲んでもらえればうれしい」と笑顔を見せた。24日は午後8時まで(フードラストオーダー)。入場無料。ドリンクは会場でチケットを購入すればよい。

写真は、ブースで日本酒を販売する四家さん=23日(クリックで拡大)