2020年10月23日(金)

■棟方志功手がけた平市民会館の緞帳 ミニレプリカの存在明らかに

昭和41年4月、旧平市民会館落成時に関係者に配られたとされる棟方志功原画のステージ緞帳(どんちょう)「ミニレプリカ」の存在が明らかになった。所有者は「世界のプリマ・ドンナ」「発掘いわきのご当地ソング」など過去の事象を調査し、本紙に寄稿している地元学研究者の緑川健さん(52)=四倉町。約10年前、いわき市内の古書店で入手したという。

ミニレプリカは縦27センチ・横53センチ。色彩は鮮明で、ふくよかな天女が舞うおなじみの絵柄。紫色の裏地には「昭和41年4月 平市民会館落成記念」と白抜きで記されている。また平市民会館の落成を記念した平市歌斉唱、大和田弥一市長の式辞など、同年4月11日の「式次第」はじめ、「棟方志功略画歴」「建設経過概要」、パンフレット「市民会館施設概要」「市制施行30周年市民会館落成 記念祝賀特別公演」がセットになっている。

記念祝賀特別公演では、喜多長世師(能楽舞囃子)、花柳登代蔵、若柳之利師(日本舞踊)、安川加寿子さん(ピアノ独奏)の紹介や、演目が掲載され、当時の華やかな雰囲気が伝わる貴重な資料といえる。

市立草野心平記念文学館で企画展「草野心平と棟方志功」が開催中だが、市立美術館所蔵の緞帳原画4点が展示されている。緑川さんは「おそらく式典当日に配られたものと思う。現物がどのくらい残っているかは分からない」とし、「機会があったら展示したい。このような資料を今後も大切に保管、伝えるのが市民の務めと思う」と、記念セットの重要性を再確認している。

写真は、緞帳のミニレプリカ(クリックで拡大)

■フラガールキャプテン アウリイ晴奈さん 12月引退へ

スパリゾートハワイアンズのフラガールキャプテンで、ソロダンサーとして活躍してきた本市出身のアウリイ晴奈さんが、12月27日夜のステージをもって引退する。アウリイ晴奈さんは、震災直後の平成23年4月に常磐音楽舞踊学院の47期生として入学。震災の影響で施設が休館となるなど厳しい状況を乗り越え、その年の10月に例年の3カ月遅れで念願のデビューを果たした。

平成29年3月に第67代ソロダンサー、同年9月にキャプテン就任後はメンバーをまとめ、全国の災害被災地の慰問キャラバンにも尽力。新型コロナウイルス感染症の拡大後は、ハワイアンズが休館しダンスレッスンもままならない中で42人のダンシングチームを鼓舞し、医療従事者の応援や感染予防の啓発活動など、“フラガールの顔”として全国に笑顔と元気を届ける活動をしてきた。

夢の舞台もあと2カ月あまり。アウリイ晴奈さんは「多くの皆さまに応援していただき、支えていただいたこの9年間はかけがえのない経験ができた、とても幸せな日々でした」と振り返りながら、「皆さまとの1日1日を大切に、胸に刻みながら過ごしていきます」と最後まで全力を尽くすことを約束した。

写真は、12月での引退を発表したアウリイ晴奈さん(スパリゾートハワイアンズ提供=クリックで拡大)

■春高バレー県代表決定戦 本市勢は男子・勿工、女子・磐城一

第73回全日本バレーボール高校選手権大会県代表決定戦兼第48回FTV杯争奪県高校バレーボール選抜優勝大会の組み合わせ抽選会が22日、福島市で行われ、対戦カードが決まった。いわき勢は9月のいわき地区予選で優勝した男子が勿来工業、女子は磐城一が出場。勿来工業、磐城一ともに会津学鳳と初戦で激突する。

大会は11月20、21の両日、同市の福島トヨタクラウンアリーナ(福島市国体記念体育館)で実施。例年は県総体の8強が出場するが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会が中止となったため、1月の県高校新人戦と男女各上位2校と9月の地区予選を勝ち抜いた男女各6校が全国切符をかけて熱戦を展開する。

初日の20日は準々決勝、準決勝計6試合を実施。最終日の21日に男女決勝が行われる。決勝は男子が午前11時半、女子は同10時に試合開始予定。感染防止対策のため、開会式は行わない。男女の各優勝校は来年1月5日、東京都の東京体育館で開かれる全国大会に出場する。

表は、県高校バレーボール選抜優勝大会の組み合わせ(クリックで拡大)

■きのう深夜 常磐湯本町のテナントビルでぼや 放火も視野に捜査

22日午後11時5分ごろ、いわき市常磐湯本町三函、木造2階建てのテナントビルから火を出し、1階空き店舗の外壁と看板約0・18平方メートルを焼いて、約15分後に消し止めた。けが人はいなかった。現場はJR湯本駅から北西に約370メートルで、住宅や飲食店、温泉旅館が点在している。深夜にサイレンが鳴り響き、周辺は一時騒然となった。

いわき中央署と常磐消防署によると、付近の住民から「外から火が出ている」と119番通報を受け、消防隊が現場に駆けつけ、消火にあたった。火事を目撃した60歳代の男性は「スナックのドアの部分が、ポンポンと赤い火が上がっているのが見えた」と話し、「大ごとにならなくて良かった」と胸をなでおろしていた。

いわき中央署によると、現場に火の気がないことから、放火の可能性も視野に入れ、詳しい出火原因を調べている。

写真は、消火活動にあたる隊員=22日午後11時19分(クリックで拡大)