2020年10月13日(火)

■ニホンアナグマ・ホンドタヌキの新展示場 あすオープン アクアマリン

ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は14日、縄文時代の自然環境を再現した屋外展示施設「わくわく里山・縄文の里」に、ニホンアナグマとホンドタヌキの新展示場をオープンさせる。ホンドタヌキは2月からすでに展示されているが、水族館におけるニホンアナグマの展示は今回が初めてという。

ニホンアナグマは、主に本州、四国、九州の里山に暮らす夜行性の動物で、山林に複数の部屋を持つ巣穴を作り、古くは人間の食料としても利用されていた。また巣穴をホンドタヌキも利用し、タヌキもアナグマの別名「貉(ムジナ)」と混同されることが、ことわざ「同じ穴のムジナ」の由来とされている。

展示場ではニホンアナグマとホンドタヌキを並べて展示し、里山の自然で暮らす習性を紹介。特にニホンアナグマは巣穴で暮らす様子も見ることができる。展示に先立ち5日、茨城県・日立市かみね動物園からオスのニホンアナグマ1頭が搬入された。16日には岩手県・盛岡市動物公園から、メスの個体1頭も搬入する予定で、縄文の里グループ主任の森俊彰さん(35)は「身近に生息していることを知って貰えれば、自然への見方が変わると思う。里山を代表する動物を見てほしい」と語っている。

写真は、搬入されたオスのニホンアナグマ(アクアマリンふくしま提供=クリックで拡大)

■市中体で県内初「ボッチャ」 障害問わずスポーツを

第68回市中学校体育大会(市中体連、市教委主催)のボッチャ競技大会が12日、市立総合体育館で開かれた。特別支援に在籍する生徒を対象とし、本年度から市中体の正式競技として、県内で初開催。総合競技をはじめ、陸上競技、駅伝競走を含む全17競技の最終種目として行われた。記念となる第1回大会には、市内20校・約150人が出場。団体戦は錦A(目黒彪雅、岡沢伶音、大河内雅仁)が優勝、個人戦は勿来一の菅野みんと(3年)が制した。

ボッチャは、運動能力に障害がある競技者向けに考案された障がい者スポーツの一つ。パラリンピックでは、昭和63年のソウル大会から、正式競技に採用された。競技は個人もしくはペア、3人一組で長さ12・5メートル、幅6メートルのコートで行う。赤と青のボールを使用し、赤ボールを先攻にそれぞれ6個投げ、白い的球(ジャックボール)にどれだけ近づけるかを競う。

団体戦は3人1組で行われ、35チームが参戦。個人戦は37人が出場し、それぞれトーナメントで優勝を争った。感染防止対策を徹底し、出場生徒すべてマスク着用で試合に臨んだ。個人戦ではこのほか、四倉の佐倉幸樹(2年)が準優勝、平一の今野百々香(同)、玉川の永山遥斗( 同) が3位に入った。団体戦ではチームの優勝を目指し、3人が心を一つにして競技に臨み、四倉が準優勝、玉川と磐崎Bが3位入賞を果たした。

写真は、的球に狙いを定め、ボールを投じる選手たち=12日(クリックで拡大)

■東日本台風1年に合わせ 平下平窪の支援団体が交流会

東日本台風の発生から1年となるのに合わせ、甚大な被害を受けた平下平窪地区に拠点を置き、復興支援活動を続けている一般社団法人Teco(てこ)のコミュニティー活動「水害から1年お茶会」が12日、拠点としている“てこてこサロン”で開かれた。

同法人では水害からの1年を振り返る冊子「てこてこ〜川とともに生きる 令和元年台風19号から1年の歩み〜」を同日付で発行(10日付本紙で掲載)。製作を機にこれまでの1年を振り返りながら、住民たちの交流の場を提供しようと企画され、地域住民やボランティアなど20人ほどが次々と来訪。お茶やお菓子を楽しみながら近況報告をするなどし、楽しいひとときを過ごした。

今回の冊子の発行に際し、スタッフには「形に残してくれてありがとう」などといった感想のほか、これまでの活動についても感謝の気持ちが寄せられたといい、代表理事の小沼満貴さん(34)は「うれしい」と破顔。「『どこよりも住みやすい町』にするのが目標。世代間交流ができるような憩いの場に育てていければ」と目を輝かせていた。

写真は、水害からちょうど1年がたち、これまでを振り返りながら近況報告などをする参加者とスタッフ=12日(クリックで拡大)

■震災伝承みらい館 来館者1万人に 栃木県の校長夫妻「修学旅行の下見で」

5月に共用を開始した薄磯三丁目の「いわき震災伝承みらい館」(荒川信治館長)の累計来館者数が11日午後、1万人を達成した。1万人目となったのは、栃木県宇都宮市の佐藤美之さん(58)で、夫の秀彦さん(56)と来館した。秀彦さんが同県河内郡上三川町で小学校長を務めており、12月に6年生が修学旅行で来市することから、下見を兼ねて訪れたという。

夫妻は荒川館長から1万人目を告げられると目を丸くして驚き、美之さんは「震災を(後世に)伝えるため、ぜひ1度来たいと思っていたので叶って良かった」としながら節目に関わることができ、「とても光栄です」。また自身の誕生日が同館の供用開始日と同じ知り、2度びっくり。2年前にも来市しているという。

秀彦さんも「新しい家が建ち随分ときれいになった印象がある」と復興が進む様子を間近にし、教え子たちにしっかりと被災地の現状を伝えようと、震災の関連資料をじっくりと見学した。夫妻には荒川館長から非常持出袋などの緊急避難セット、保存食などの防災グッズが記念品として贈られた。

写真は、荒川館長(右)から記念品の防災グッズを受け取る佐藤さん夫妻=11日(クリックで拡大)