2020年10月6日(火)

■常磐興産 東京本社を来年3月までに廃止へ コロナでハワイアンズの集客は大幅減

いわき市常磐藤原町の大型温泉施設「スパリゾートハワイアンズ」などを運営する、常磐興産(西沢順一代表取締役社長)は5日午後、ホテルハワイアンズで記者会見を開き、東京本社=東京都中央区東日本橋=の廃止とともに、組織改革や役員報酬減額などコスト削減を念頭に、コロナ禍に伴う今後の経営方針について考えを明らかにした。同日の取締役会で決定した。

西沢社長は「新型コロナウイルスの終息が見えない。この影響はわが社にとって炭鉱閉山、東日本大震災に匹敵、あるいはそれ以上の大変厳しい状況下にある」と述べ、4月から3カ月続いたハワイアンズ全面休園後、7月1日からの営業再開に期待したが、首都圏で発生した新型コロナの大きな波が集客減につながり、影響をおよぼしたと説明。特に繁忙期の8月は集客が前年比25%とふるわなかった。

このため来年3月までに、関東地区1都3県の営業、マーケティング業務などを担う東京本社を廃止し、現在の役員・従業員計62人は同市常磐藤原町の本社内に集約する。廃止後の東京での人員体制については言及しなかった。

組織改革では11月1日から、事業本部制として長く続いたレジャーリゾート事業本部、燃料商事部を統合。それぞれで行っていた売買を一括にして効率化を進める。役員報酬の減額なども発表され、今月から当面の間、代表取締役30%、常務20%、取締役15%減らし、役員賞与も支給しないとした。全社員の冬期賞与は50%減らすことで、従業員代表と話し合いをするという。

写真は、会見に臨む西沢社長=5日(クリックで拡大)

■いわき市 12日に台風犠牲者の追悼式開催へ

昨年10月の令和元年東日本台風(台風19号)から1年を迎えるにあたり、市は12日午前11時から、いわき芸術文化交流館「アリオス」音楽小ホールで追悼式を行う。清水市長が6日、市役所本庁舎での会見で発表した。浸水区域で直接死・間接死合わせて12人の尊い命が犠牲となった。

式典は清水市長をはじめ、浸水被害を受けた行政区長らが約50人が出席し、犠牲者への哀悼の意を表す。新型コロナウイルスの感染症対策の観点から、小規模での開催となり、一般参列は出来ず、遺族、来賓のみで執り行う。犠牲者の遺族は3世帯6人、浸水区域の行政9区のうち、平、小川地区の行政区長6人が出席を予定している。

写真は、追悼式の日程などを発表する清水市長=6日(クリックで拡大)

■小名浜白百合幼稚園 マリア像と記念碑落成

小名浜花畑町のカトリック小名浜教会跡地で5日、モニュメント完成を祝った「マリア像落成感謝の式」が開かれ、かつて同教会付属だった小名浜白百合幼稚園の園児、職員、教会関係者ら約80人が参加した。

小名浜教会は昭和26年、ドミニコ修道会のジョージ・ダビオ神父によって設立され、同32年に同地へ聖堂を開堂。約70年にわたり地域住民に親しまれてきたが、建物の老朽化に伴う倒壊の危険、信徒の減少などを踏まえ昨年1月に閉堂された。

モニュメントは協会の歴史を記そうと昨年3月から工事が進められ、今年9月に完成。旧約聖書「イザヤ書」の一節、同協会の歴史が記されているほか、聖母マリアの聖母子像、聖堂からくり抜かれた建設年を表す石などで形づくられている。

写真は、落成したマリア像に献花する園児たち=5日(クリックで拡大)

■心平記念館で「吉野せい」スポット展示 本紙記事など交えて

作家吉野せい(1899〜1977)の生涯と作品を紹介するスポット展示が、市立草野心平記念文学館常設展示室で始まった。吉野せいは小名浜生まれ。少女時代から新聞などに小作品、短歌などを投稿したのち、詩人三野混沌(本名・吉野義也)と結婚。好間町北好間の菊竹山で開墾生活を送った。

混沌の死後、70歳を過ぎ再び執筆活動を始め、昭和50年に「洟をたらした神」で第15回田村俊子賞、第6回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。展示資料には、せいが執筆した「菊竹山記(1)」「同(2)」掲載の昭和45年11月16、21日付いわき民報文化面記事をはじめ、生前の写真パネル、夫混沌の自筆資料、書簡など計10点を紹介している。

会期は12月27日まで。入館料は一般440円、高・高専・大学生330円、小・中学生160円。時間は午前9時から午後5時(入館は午後4時半まで)。毎週月曜休館。11月23日は開館、翌24日は休館。

写真は、本紙記事などを紹介する「吉野せい」スポット展示コーナー(クリックで拡大)