2020年10月1日(木)

■東日本台風まもなく1年 平下平窪では2割弱が転出も 行政区が市に要望書提出

昨秋の東日本台風(台風19号)で甚大な浸水被害を受けた、平下平窪地区の行政区「平第31区」は9月30日午後、被災を教訓とした災害救助法・生活再建支援法などの見直しや生活環境の整備についての要望書を市に提出した。同行政区では浸水被災で全世帯の2割弱となる354世帯734人(4月現在)が転出するなど深刻な事態が続いており、台風の被害から1年を迎えるのを前に、生活再建に向けて一歩を踏み出した住民たちの切実な声を届けた。

半壊以上であれば100万から300万の支援金が出るが、半壊に満たなければ現行の法では応急修理制度で59万5千円でしか出ない。建屋だけで数百から1千万、家具や電化製品をそろえるといくらかかるか――。

佐藤将文区長(75)は役員とともに本庁を訪れ、住民たちの切実な声を清水市長に届けた。自身は下平窪自主防災会長として、先ごろ最終報告書をまとめた災害対応検証委員会に参加。災害の発生直前から発生後の対応を分析して課題を洗い出し、解決に向けた方向性について市や学識経験者と協議を重ねてきた。

また、河川の氾濫の要因の1つを河川の土砂の堆積と雑木にあると指摘し、行政区として20年来、県に要望し続けてきた川底の掘り下げ、雑木の撤去をはじめ、水をあふれさせる場所をあえて作り、流域全体で水を受け止め水害を減らす「流域治水」の必要性について、具体的な説明を求めた。

佐藤区長は「まずは一日も早い住民の生活再建が必要だ。転出した住民の何パーセントが戻ってくるのか、地域の復興に向けた大きな課題。二度とこのような水害があってはならない」と、声を大きくした。

写真は、清水市長に要望を伝える佐藤区長(左)と役員ら=9月30日(クリックで拡大)

■トイボのペーパークラフト作ろう! 乗車時に限定配布

市は9月30日から、JRいわき駅周辺の中心市街地で実証を進め、「トイボ(toy bоx)」の愛称で親しまれている「グリーンスローモビリティを活用した次世代交通システム」のペーパークラフトを、利用者先着千人に配布を始めた。

ペーパークラフトは市、報徳バス、ソフトバンクとともに実証を進める「たいらまちづくり」が製作。乗車時、ドライバーの案内で手に入る。完成後のサイズは全長10センチ、幅5センチ、高さ6・5センチ。ハサミやのりなどを使わず、折り込むだけで完成する。

市によると、9月24日から将来的な事業化の検証等を進めるため、運賃を有償化となり、乗車料金は100円( 小学生以下は無料)。現金のほか、電子マネーでの決済もできる。11月23日まで行う予定で、運行時間は午前9時〜午後4時。車内発行の乗車証明書(利用日のみ有効)が発行され、乗降ポイント周辺の協力店舗で提示すると、各種特典が受けられる。

写真は、「トイボ」のペーパークラフト完成形(クリックで拡大)

■高校サッカー県大会2次 組み合わせ決まる

第99回全国高校サッカー選手権大会県大会2次大会(県サッカー協会、県高体連などの主催)の組み合わせ抽選会が9月30日、郡山市中央公民館で行われ、3回戦以降の対戦カードが決まった。U―18サッカーリーグ福島・Fリーグ1部(F1)に参戦し、1次大会免除のいわき光洋は磐城桜が丘との同地区対決となる初戦に挑む。

2次大会には、1次大会を勝ち抜いた17校、F1、プリンスリーグに参戦し、1次大会を免除された11校の計28校が出場。全国切符をかけて、トーナメントで熱戦を繰り広げる。いわき勢のシード校はなく、F1参戦のいわき光洋をはじめ、1次大会を突破した磐城、湯本、磐城桜が丘、東日大昌平の5校が2次大会に挑む。

3、4回戦と準々決勝は新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を講じた上で一般観戦を認める。準決勝以降は有料観戦試合とし、観客席を例年の半分に減らし、全席指定の前売り券チケット制とする。販売開始は17日午前10時から。詳細は今後、県サッカー協会<こちら>などで公開する。

表は、全国高校サッカー選手権県大会2次大会の組み合わせ(クリックで拡大)

■勿来出身の金沢さん ギャラリーいわきで初個展 4日まで

勿来町酒井生まれの画家金沢裕子さん(35)=東京都目黒区=の絵画展「わたしのそら」が4日まで、泉ケ丘二丁目のギャラリーいわきで開かれている。金沢さんは湯本高在学中に美術部の活動で油絵を描いていたが、筑波大芸術専門学群総合造形専攻ではファッションに取り組み、卒業後は技術職に就職した。

平成25年から「絵の力で福島の復興に寄与したい」との思いで画家活動を本格的に始め、以降、市美展などの展覧会や芸術祭への出展、個展の開催などを行っている。同ギャラリーでの個展は初めてで、三崎公園や勿来の関、薄磯海岸、いわき芸術文化交流館「アリオス」、湯ノ岳からの風景、幻想的な心象画などを描いた作品約30点を展示した。

金沢さんは「いわきの風景の美しさやそれらを形づくる人の心の美しさを感じてもらいたい」と、来廊を呼び掛けている。時間は午前11時から午後7時(最終日は午後5時)。問い合わせは、ギャラリーいわき=電話(56)0264=まで。

写真は、いわきの風景など約30点を並べた金沢さん(クリックで拡大)