2020年9月26日(土)

■菅首相 就任後初の地方視察で来県 福島第一原発など訪れる いわき駅から帰京

菅首相は26日、就任後初の地方視察として、福島県を訪れた。東京電力福島第一原発(大熊、双葉町)、20日に開館した東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)、ふたば未来学園中・高(広野町)に足を運んだ後、夕方にJRいわき駅から帰京した。

記者団の取材に応じた菅首相は、福島第一原発の汚染水を浄化した後の処理水について、「今後できるだけ早く政府として、責任を持って処分方針を決めたい。復興と廃炉の両立に向けて、政府が前面に立つ」と述べた一方で、具体的な時期は明言を避けた。

16日の初閣議で決定した内閣の基本方針に、震災・原発事故の記述が無かった点を問われると、組閣の際に全閣僚に渡した指示書で、復興への取り組みを記載したと説明した。

また復興は着実に進んでいるとした上で、「心のケアやなりわいの再生などに、政府挙げて取り組んでいく」と強調。原発事故による帰還困難区域に関しても、時間がかかろうと解除を成し遂げると語った。

写真は、いわき駅に到着した際、出迎えた市民に応える菅首相=26日午後3時52分

■本社黒獅子旗懸けた熱戦開幕 市中学新人野球

いわき民報社黒獅子旗争奪第55回市中学校新人軟式野球競技大会(市中体連、市教委、いわき民報社など主催)が26日、いわきグリーンスタジアムなどで開幕した。初日の同日は同スタジアム、南部スタジアム、小名浜野球場の3球場で、1回戦8試合が行われた。

試合に先立ち、開会式がいわきグリーンスタジアムで行われ、選手代表の鈴木晴登主将(藤間・2年)が「強い心、優しい心、信じる心、挑戦する心、感謝の心を持って戦い、支えてくれる家族、先生方、3年生の先輩方にプレーで恩返しできるよう、最後まで諦めず、正々堂々と戦いたい」と力強く選手宣誓し、黒獅子旗をめぐる熱戦の火ぶたが切られた。

大会は、北(いわき野球連盟傘下校)、南(磐南野球連盟同)の2地区に分かれて実地。北地区の「四倉・小川」「中央台南・湯本二」、南同の「湯本一・湯本三」、「錦・勿来二」が連合チームで参戦し、28校・24チームがトーナメントで激突する。北・南各地区の1位チームが決勝の舞台で、黒獅子旗と市頂点をかけて争う。

大会は10月3日に最終日を迎え、平野球場で準決勝2試合と決勝を行う。決勝は午後1時半試合開始予定。今大会の上位4チームは10月25日、県北地区で開幕する県大会に出場する。

写真は、1回戦・藤間―久之浜戦。黒獅子旗をかけた熱戦が幕を開けた=26日(クリックで拡大)

■界隈の佐藤さん 木もれびで個展開催中

市内外で個展やグループ展に出展するなど精力的に芸術活動を行っている、いわき陶芸協会長の佐藤界さん(76)=明治団地=の個展「佐藤界 墨絵・陶展」が28日まで、ギャラリー木もれび(好間町榊小屋)で開かれている。

佐藤さんは、26歳で画廊喫茶を始め、平成元年に「ギャラリー界隈」を開設。元々は趣味程度だったが、同10年ごろから次第に墨絵や陶芸に本腰を入れるようになった。同25年には市美展の陶芸の部で市長賞を受賞。その後、龍雲寺(好間町北好間)のふすま絵を描いたり、栃木県芳賀郡益子町の名物「益子陶器市」に毎年出品するなど、精力的に新作を発表している。

会場には、疫病退散の言い伝えがある妖怪「アマビエ」の焼き物や、地蔵が穏やかな笑顔で並んでいる墨絵など、やわらかく優しさあふれる作品約350点が並ぶ。佐藤さんは「歳に負けずにどんどんチャレンジしてたくさんの作品を作っていきたい」と話し、今後の活動にも意欲を示した。開催時間は午前10時半〜午後4時半。問い合わせは、ギャラリー木もれび=電話090(4633)9327=まで。

写真は、ギャラリー木もれびで開催中の佐藤さんの個展=26日(クリックで拡大)

■きのう夜 遠野町で住宅裏山崩れる けが人なし

25日午後9時ごろ、いわき市遠野町上遠野前山地内で住宅の裏山が崩れ、敷地に土砂が流れ込んだ。家人はいたが、けが人はなかったという。市消防本部によると、裏山は幅20メートル、高さ8メートルにわたって崩れた。敷地内のプロパンガスを倒し、一時ガス漏れが生じたが、安全装置が働いて大事には至らなかった。家人が通報した。