2020年9月21日(月)

■勿来文歴で刀剣企画展 刀匠・藤安さん「磐城平藩の国虎はもっと評価されるべき」

市勿来関文学歴史館の企画展「刀・刀・刀〜いわきの刀剣〜」が19日、勿来町関田の同館で始まった。旧磐城平藩お抱えの刀匠・根本和泉守藤原国虎や鈴木加賀守貞則が手がけた刀剣など、7振りが展示されており、近年の歴史ブームや刀剣を擬人化したゲーム「刀剣乱舞」などの影響からか、初日から多くの来館が。中山雅弘館長は「全国的に刀剣に注目が集まっている中で、いわきにも良い刀があることをぜひ知ってほしい」と来場を呼びかけている。11月17日まで。

会場には県指定重要文化財の「太刀 無銘 一文字(個人蔵)」や「脇差 銘 来国俊」など、本市で受け継がれてきた名刀を展示。20日には関連イベントとして、人間国宝の刀匠宮入行平に師事し、現在は福島市に鍛刀場を構える藤安将平さんと、県文化振興財団遺跡調査部副部長の吉田秀享さんが「いわきの刀工の作風」と題して対談した。

対談は勿来の関公園体験学習施設「吹風殿」で行われ、刀剣愛好家ら30人ほどが参加。藤安さんは今展の監修にも携わり、伊勢神宮の式年遷宮で御神刀を製作するなど、半世紀以上にわたり活躍している。古刀研究の第一人者でもあり、「(根本和泉守藤原)国虎はもっと評価されるべき刀匠。美しく安定した形をつくっており、これだけの名刀が福島にあると、日本全国に知らしめたい」と熱弁をふるった。

写真は、展示されているいわき地方の刀匠による作品(クリックで拡大)

■平の吉野谷鉱泉 季節外れの山桜咲き始める

江戸時代から続く宿泊施設「吉野谷鉱泉」(平吉野谷)では先週末から、季節外れの山桜が咲き始め、湯治客らを驚かせている。山桜の開花に気付いたのは、宿泊客が写真を撮っていたときのこと。入り口に立つ一本の桜に2、3分咲きのピンク色の桜がまばらに咲いていたのを見つけた。その後もちらほらと花を付け、宿の従業員たちも初めての出来事に驚くばかりだ。

宿は山々に囲まれ「秘湯」といった趣で、県外からの湯治客も多いが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で客足が遠のき、売り上げは以前の半分に。感染症対策をしながら営業を続けているが、いまだ影響は色濃く、狂い咲きは現状が好転する“便り”と信じたい。代表の四家行雄さん(70)は「コロナで大変な今、これを見てみんなに笑顔になってもらいたい」と語り、樹齢200年の山桜をそっと見守っていた。

写真は、吉野谷鉱泉に咲いた季節外れの山桜=21日(クリックで拡大)

■秋季高校野球の県大会 東日大昌平 6年ぶりに決勝進出

第72回秋季東北地区高校野球県大会(県高野連主催)は6日目の21日、いわきグリーンスタジアムで準決勝2試合が行われた。いわき勢で唯一、4強入りを決めた東日大昌平は相馬東と激突。東日大昌平は三回、坂本大樹(2年)の中前適時打、辺見大斗(同)の左犠飛で2点を先制。五回には先頭の佐藤壱聖(1年)からの集中打で4点、六回にも1点を加え、7―0の七回コールドで快勝。6年ぶりの東北大会出場と決勝進出を決めた。大会は22日に最終日を迎え、同スタジアムで決勝と3位決定戦を行う。

19日の午後の試合では、福島市の県営あづま球場で湯本が学法石川と対戦。湯本は二回、沼倉伶桜(2年)、宇佐見幸真(同)の適時打で2点を先行するも、三回打者一巡の猛攻を受け、一挙6点を献上。2―6で敗れ、進撃は8強で止まった。

写真は、準決勝・東日大昌平―相馬東戦。東日大昌平は五回1死一、三塁から、野選で三走・坂本がチーム4点目のホームイン=21日(クリックで拡大)

■南東北大野球連盟秋季リーグ 東日本国際大 次戦勝利で2年ぶりV

南東北大学野球連盟2020年度秋季リーグ戦(同連盟主催、いわき民報社などの後援)の1部第4週が19、20の両日、宮城県石巻市の河南中央公園野球場で行われた。

東日本国際大は福島大に2試合ともに快勝し、開幕から負けなしの7連勝。第5週は1戦目が26日、郡山市のヨーク開成山スタジアム、2戦目が27日、本宮市のしらさわグリーンパーク野球場で開かれる。首位の東日本国際大は2敗で追う2位の東北公益文科大と対戦。勝てば、2年ぶりの優勝が決まる。