2020年9月17日(木)

■サッカー天皇杯開幕 いわきFCは3年ぶり初戦突破も 指揮官は内容に不満

天皇杯JFA第100回全日本サッカー選手権大会が16日、双葉郡広野町のJヴィレッジスタジアムなどで開幕した。1回戦16試合が行われ、本県代表のいわきFC(JFL)は同スタジアムで、山形県代表の大山サッカークラブ(東北社会人2部)と対戦した。格下相手に試合の主導権を明け渡さず、4―0で快勝。平成29年以来、3年ぶりの初戦突破を決めた。

天皇杯の次戦は23日、同スタジアムで行われる2回戦で、青森県代表のラインメール青森(JFL)と対戦する。午後3時開始予定。1回戦と同様、無観客で行われる。

感染症防止対策のため、無観客のホームスタジアムで4ゴールを決め、いわきFCは堂々の初陣を飾ったが、零封勝利にも田村雄三監督は不満顔。「県代表のプライドを持って戦ってほしかったが、雰囲気も含めてよくなかった。率直な感想として情けない試合だった」と厳しい口調で初戦を振り返った。

4年連続で本県代表として挑んだ天皇杯は、リーグ戦とはメンバーを大きく入れ替えた。前回大会、宮城県代表の仙台大に逆転負けした反省を忘れず、開始早々攻勢に出た。だが、JFLの2つ下のカテゴリーにあたる東北社会人2部所属の相手に7本のシュートを浴び、13度のオフサイドを取られるなど詰めの甘さも目立ち、指揮官の怒りを買った。

先制のゴールを決めたMF松本健太郎(24)は「点を決めたことよりも、プレーのクオリティが不甲斐なかった」と自身で追加点を奪えなかったプレーを反省。同じJFL参戦の相手との次戦に向け、「毎日の練習を無駄にせず、全力でピッチで表現するだけ」と、真価が問われる1週間後の2回戦に向けて、気合を入れ直した。

写真は、先制ゴールを決めたMF松本=16日(クリックで拡大)

■菅新内閣発足 市民からはおおむね好意的反応

自民党の菅義偉総裁(71)が16日召集の臨時国会で、第99代内閣総理大臣に任命された。菅氏は皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、正式に自民・公明両党連立による菅内閣を発足させた。菅首相は記者会見で、「最優先の課題は新型コロナ対策で、来年前半までに全ての国民に行き渡る(だけの)ワクチンの確保を目指す。経済の再生はアベノミクスを継承し、一層の改革を進める」と語った。

記者会見に当たって、菅首相は秋田県生まれの点から、「一貫して『地方を大切にしたい』『日本の全ての地方を元気にしたい』という気持ちが流れている」と強調。デジタル庁の新設や、規制緩和を推し進めていくことなども説明した。

衆院議員の任期満了が来年10月に迫る中、解散総選挙について問われると、「新型コロナの感染拡大防止と経済の両立を国民が一番望んでいる」とした上で、時間の制約も視野に入れながら、考えていきたいと述べた。

菅内閣の発足について、市民からはおおむね好意的な反応が挙がった。平の60歳代の会社員男性は「なるべく人がなって良かった。コロナ対策に重点を置いて続けてくれれば。いまの問題点を一番分かっているので、その中で最大限頑張ってもらいたい」と期待感を寄せた。

四倉町の40歳代会社員男性も「順当じゃないか。これまでも露出があったので妥当かと思う」と述べ、小名浜の30歳代サービス業女性は「候補者の中では、この人だと思っていた。コロナ対策を続けていただきながら、住みやすい日本にしてほしい」と話した。

一方で、勿来町の50歳代会社員男性は「安倍政権で、暮らしは良くならなかった。所詮は自民党の中の都合で選ばれただけ」と否定的な見解を示した。

写真は、就任後、初の記者会見をする菅首相=16日午後9時3分、首相官邸(読売・源幸正倫撮影=クリックで拡大)

■市地域婦人会連協 豪雨被災の熊本に物資贈る

市地域婦人会連絡協議会(斎藤七重会長)は16日、熊本豪雨災害支援のため、熊本県地域婦人会連絡協議会(荒木ミドリ会長)にタオル3千本、義援金23万3800円を送った。

昨年10月、いわき地方などに甚大な被害をおよぼした東日本台風の際、各地の地域婦人会連絡協議会から送られた支援物資などに対する返礼。同協議会の会員747人がそれぞれ1人ずつタオル3本以上(未使用)、義援金300円以上を寄せた。

同日の方部長会終了後、役員15人が荷造りした段ボール12箱分が業者によって発送された。斎藤会長は、「昨年の東日本台風では多くの支援をいただいた。今回はその恩返しです」と話した。

写真は、熊本豪雨支援のタオル、義援金を手にする役員=16日(クリックで拡大)

■市立美術館で「小板橋弘展」開催中 海モチーフの作品など

ニューアートシーン・イン・いわき「小板橋弘展」が、市立美術館1階ロビーで開かれている。会期は10月25日まで。観覧無料。

小板橋さんは昭和34年、栃木県宇都宮市生まれ。フリーデザイナーのかたわら、独学で日本画表現を探る中、平成3年に縁あって、いわき市川前町にアトリエを構え、手漉(す)き和紙や墨、岩絵の具を使い、作品制作に没頭。同9年、結婚を機に茨城県北茨城市に移住した。

会場には、自身が好む海をモチーフにした「古い波」「マジェスティック」「月夜」「いのちの海」「かなたへ」のほか、柿渋を麻紙(まし)に表現した屏風「光のかけら」など16点を展示している。小板橋さんによる作品説明が21日、10月4、18日に行われる予定。時間はいずれも午後2〜3時半。

写真は、1階ロビーに展示中の「かなたへ」(左)と「月夜」(クリックで拡大)