2020年9月15日(火)

■小名浜港の輸出入額3期連続減 輸出は医薬品・輸入は非鉄金属鉱1位

横浜税関小名浜税関支署(阪口清支署長)は15日までに、小名浜、相馬両港と福島空港の2020年上半期における輸出入貿易額の概況=輸出額は確報、輸入額は9桁速報=を公表した。このうち小名浜港の輸出額は約425億2400万円(対前年同期伸び率4・9%減)、輸入額は約1639億5500万円(同10・9%減)とそれぞれ3期連続で減少、輸出入合計は約2064億8000万円と、昨年に比べて約221億円の減少となった。

小名浜港における輸出入主要品目の動向をみると、輸出総額は中国、イギリス、アメリカ向けの「医薬品」が最も多く、約304億9785万円(対前年同期伸び率6・8%減)、中国、シンガポール向けの「電池」が約35億6371万円(同9・5倍)で続いた。しかし、トップの医薬品をはじめ、主にアジア向けの「ゴムタイヤ及びチューブ」、「鉄鋼くず」などの減少が響いた。

輸入総額は1位の「非鉄金属鉱」が約705億3058万円(対前年同期伸び率8・2%減)と半分近くを占め、2位は約416億9072万円(同5・3%増)の「有機化合物」。約341億327万(同23・4%減)で3位となった「石炭」は、アジア、中東欧・ロシア、カナダからの輸入が大幅減となった。

写真は、輸出、輸入額がともに減少した小名浜港(クリックで拡大)

■自民党新総裁に菅氏 本市議員2氏も投票

自民党の総裁選は14日午後、都内で開かれた両院議員総会で投開票を行い、国会議員票(393票)と、47都道府県連代表に各3票を割り当てた地方票(141票)の計534票で争った結果、菅義偉官房長官が新総裁に選出された。

獲得票数は菅氏が377票、岸田文雄政調会長は89票、石破茂元幹事長は68票だった。任期は、安倍首相の残り任期である来年9月末まで。菅氏は16日召集の臨時国会で、第99代首相に指名され、新内閣を発足させる。総裁選に当たっては、本市関係の議員2人はいずれも菅氏に投票した。また県連は党員・党友による予備選の結果、3氏に1票ずつ入れた。

森雅子法相(参院福島選挙区)=泉町=は、「安倍首相が進めた福島の復興を全力で継承してくれる」と期待を寄せる。法相としては、閣議のテーブルが隣同士とあって、菅氏とは親しげに話す機会も多かったという。

「口べたに写るかもしれないが、同じ東北人として、まっすぐな思いを感じる」。相手の立場にかかわらず、新しい提案にも真摯(しんし)に耳を傾けると明かす。「これからは総理として、いわき・福島に来ていただき、政策をけん引してほしい」と復興の深化を求めた。

吉野正芳衆院議員(福島5区)=植田町=は、「すべての閣僚が復興大臣とする安倍首相の思いを、菅新総裁は引き継いでくれる」と話す。復興相で安倍政権を支えた一人として、菅氏の手腕は理解する。

菅氏は7年8カ月にわたって官房長官を務めたが、吉野氏はその危機管理能力を高く評価する。菅氏の妻・真理子さんから、任期中一度も横浜市の自宅に帰宅していないと聞かされ、改めて力量に驚かされた。「総理として、福島にいっぱい足を運んでほしい」と語った。

写真は、自民党の新総裁に選出された菅官房長官=14日午後(読売・小林武仁撮影=クリックで拡大)

■秋季高校野球の県大会 東日大昌平が王者・聖光と死闘制す

第72回秋季東北地区高校野球県大会(県高野連主催)は4日目の14日、福島市の県営あづま球場で、雨天順延となった2回戦2試合を行った。第2試合では東日大昌平が聖光学院と激突。両わせて23安打が飛び交い、1点を争う死闘を7―6で制し、3年連続で8強に名乗りを上げた。

東日大昌平は二回、併殺崩れの間に先制すると、五回には辺見大斗(2年)の適時打で1点、七回には1死二、三塁から、辺見の適時打などで2点を追加。八回には敵失などに乗じ、3点を加えると、後半に反撃に転じ、1点差まで詰め寄る今夏の王者を退けた。

この日で前半戦が終了し、8強が出そろった。いわき勢は東日大昌平のほか、磐城、湯本が準々決勝にこまを進めた。後半戦は19日に再開。同球場といわきグリーンスタジアムで準々決勝4試合を行う。東日大昌平は磐城と同支部同士で激突。湯本は学法石川と4強をかけて対戦する。

写真は、2回戦・東日大昌平―聖光学院戦。1点を争う死闘を制し8強進出を決め、応援席に駆け出す東日大昌平ナイン=14日(クリックで拡大)

■あすサッカー天皇杯開幕 いわきFCはJヴィレッジで初戦

天皇杯JFA第100回全日本サッカー選手権大会( 日本サッカー協会、Jリーグ主催)が16日に開幕し、いわきFCが福島県代表として出場する。1回戦は同日、双葉郡広野町のホーム・Jヴィレッジスタジアムで、大山サッカークラブ(山形県代表)を迎え撃つ。キックオフは午後3時。いわきFCの試合は新型コロナウイルス感染症対策として、無観客試合のため、一般の観戦はできない。

プロ・アマ問わずにサッカー日本一を決める天皇杯だが、新型コロナの影響で、本年度は異例の形式となった。Jリーグのうち、J1、J2の自動参加が行われず、出場は主に都道府県代表のみで、88チームから52チームに削減。福島県代表決定戦は中止となり、いわきFCが4年連続で本選の出場を決めた。

J リーグからは、J2、J3の首位が12月23日の準々決勝、J1上位2チームが同27日の準決勝から登場する。決勝は来年1月1日、東京・国立競技場で開催される。天皇杯はジャイアント・キリング(大物食い)も見どころで、いわきFC(当時・県1部)は平成29年、北海道コンサドーレ札幌(J1)を破り、全国に名を轟かせた。