2020年9月1日(火)

■台風19号 市の検証委が最終報告書まとめる TV会議システムの導入検討など

市台風19号における災害対応検証委員会(委員長・福迫昌之東日本国際大教授)は8月31日、災害時の情報伝達や避難所開設の対応検証、新型コロナウイルスの感染症対策などを盛り込んだ最終報告書をまとめ、清水市長に提出した。報告書の内容は市ホームページで閲覧できるほか、近く市内各支所など主な公共施設で入手可。

同検証委は、市地域防災計画などに基づき、昨年10月の東日本台風(台風19号)を教訓とし、同年12月に初会合を開催。今年5月には中間報告を市に提出。その後も災害対策本部での対応や被災者アンケートの結果などを精査するなど、さまざまな視点から検証を行ってきた。

報告書の主な内容は【表】の通り。「情報伝達」「避難所開設」「避難行動」「災害対策本部の対応」「自助・共助・公助の役割」の5項目を主とし、「新型コロナウイルス感染症対策」を加え、有事の際、迅速かつ的確な行動ができる最善策を提示した。

台風19号発生時、避難所では、インフルエンザやノロウイルスなどの発症が確認されるなど、避難所での衛生管理の必要性も課題に上がった。こうした現状を踏まえ、現在も猛威を振るう新型コロナウイルスの感染防止対策などの観点から、市では災害時に常時開設する避難所を45カ所から79カ所に増やした。

表は、台風19号を教訓とした災害対応検証最終報告書の主な内容(クリックで拡大)

■新人フラガール・夏凪日羽が誕生! 観光・アニメ連携

スパリゾートハワイアンズに、新たなフラガールが誕生した。名前は「夏凪日羽(なつなぎ・ひわ)」。本市出身の19歳で、ハワイアンズダンシングチームの一員になるため、日々奮闘中――。

大手アニメーション製作会社「バンダイナムコピクチャーズ」(本社・東京都練馬区)が発案したキャラクターで、昨年10月に本市へ制作スタジオを開設したのを機に、「地域の魅力を発信したい」との思いから、いわき観光共同キャンペーン実行委員会の理解を得て企画を進めてきたという。

キャラクターデザインは、子どもたちに大人気のアニメ「アイカツ!」を担当したやぐちひろこさんで、1日から夏凪日羽のツイッターアカウントを開設。“市観光応援キャラクター”として、19歳の少女目線で地元に根付いた情報を広く発信していく。

1日はフラガール56期生のデビュー当日。ハワイアンズを運営する常磐興産では「デビューと同じ日にエンターテインメントの垣根を超えた『新たな絆』が生まれた。たくさんの観光客が訪れるよう、ともにフラを通していわき市の魅力を発信したい」と、新たな仲間の誕生に喜びの声を上げている。

イラストは、新人フラガールとして誕生した「夏凪日羽」=(C)BPN(クリックで拡大)

■6日告示・13日投開票の市議選 確定は午後11時すぎか

市選挙管理委員会は1日までに、任期満了に伴う市議選(6日告示、13日投開票)の概要を明らかにした。投票所は市内138カ所に設けられるほか、投票は午前7時に開始され、全投票所で繰り上げ終了する。午後6時までは40カ所、同7時まで98カ所。ポスター掲示場は、前回より3カ所減の市内619カ所に設置する。いわき市の選挙人名簿定時登録者数は1日現在、27万1132人(男13万2579人、女13万8553人)。前回の市議選投票率は、半数を割る過去最低の46・66%だった。

期日前投票は7〜12日の間、市役所東分庁舎、市小名浜、勿来、常磐、内郷、四倉、遠野、小川、三和、田人、川前、久之浜・大久支所、好間、中央台公民館、泉公民館講堂、いわき駅前「ラトブ」(8日は休館日のため実施せず)の16カ所で行われる。市外、病院などで行う不在者投票も同期間になる。

即日開票となり、午後8時から市立総合体育館で始まり、確定は前回並の同11時すぎの見通し。期日前投票の時間は次の通り。

▽市役所東分庁舎、市小名浜、勿来、常磐、内郷、四倉支所、好間、中央台公民館、泉公民館講堂=7〜12日午前8時半〜午後8時▽遠野、小川、三和、田人、川前、久之浜・大久支所=7〜10日午前8時半〜午後6時、11、12日午前8時半〜午後8時▽いわき駅前ラトブ=7、9〜12日午前10時〜午後8時

■秋季高校野球いわき支部大会 あす決勝

第72回秋季東北地区高校野球県大会いわき支部大会は6日目の8月31日、南部スタジアムで、敗者復活トーナメント2回戦2試合が行われた。第1試合では、先行したいわき光洋が四回に一挙6点を奪い、試合の主導権を握ると、中盤以降、追い上げを見せた平工業を8―7の1点差で退け、県大会出場に王手をかけた。第2試合では勿来工業といわき海星が激突。いわき海星が延長十回までもつれる接戦をサヨナラで制し、県大会出場に望みをつないだ。

大会は2日で最終日を迎え、同スタジアムで午前10時から決勝戦を行う。決勝は磐城桜が丘と東日大昌平が激突。磐城桜が丘は平成16年秋以来16年ぶり、東日大昌平は2年ぶりの決勝進出となる。

<いわき海星 小林南が殊勲の走本>

延長十回までもつれた接戦を制し、いわき海星が代表決定戦にこまを進めた。本戦の初戦となった2回戦で4校連合に敗れ、敗者復活戦行きとなった。その悔しさをバネに、一歩ずつ上に駆け上がり、4年ぶりの県大会出場に王手をかけた。若林亨監督は「最後までチャンスをあきらめず戦った」と教え子の健闘を称え、安どの表情を見せた。

先発の小林南(2年)が踏ん張り切れず、三回に3失点。延長十回2死。後がない、この土壇場で打席に入ったのが小林南だ。門井希咲(1年)、主戦田中奨悟(2年)にマウンドを譲り、中堅の守備位置につき、「ふがいないピッチングでみんなに迷惑をかけた」と意地の一振り。気持ちのこもった打球は相手中堅の頭上を越えた。

「“絶対に打つ”という気持ちで打席に立った」と小林南。二塁、三塁をけって、本塁に足から突っ込んだ。県切符をかけた大一番は実力校の湯本が相手だ。先輩たちが21世紀枠でセンバツに出場した平成25年春以降、聖地から遠ざかっている。現校名で最後の挑戦となる今大会。次戦もきっちりと白星を飾り、“海星丸”は県への大海原への出港するつもりだ。

写真は、延長十回、サヨナラ本塁打を放ち、本塁に滑り込むいわき海星の小林南=8月31日(クリックで拡大)