2020年8月27日(木)

■市消防本部 10月から「Net119」導入 聴覚・言語障がい者の円滑な通報を

市消防本部は10月1日から、音声による119番通報が困難な聴覚・言語機能障がい者が円滑に消防への通報が行える「Net119緊急通報システム」を導入する。聴覚、言語障がい者がインターネット機能を利用し、携帯電話やスマートフォンのボタン操作や文字入力で通報できる。

消防庁は平成22年度の検討会で、音声による意思疎通が困難な聴覚・言語機能障がい者や外国人らに対応した緊急通報の仕組みを提案。平成29年3月、「Net119緊急通報システム」の導入について検討し、119番通報の多様化に関する報告書と取りまとめ、新型コロナウイルスの影響で延期となってしまった東京五輪、東京パラリンピックを想定し、本年度中の導入を促している。本県ではトップを切って、福島市消防本部で昨年4月1日から、同システムを導入している。

市によると、利用対象者は身体障害者手帳の交付を受けている市内在住、もしくは本市に通勤・通学中の1110人など。同程度の障がいがあり、音声による119番通報が困難な市民も利用できる。これまで聴覚・言語機能の障害者が音声を使わずに緊急通報する手段はファクスに限られていた。

運用開始に先立ち、市消防本部は9月4〜6の3日間、常磐湯本町のいわきサン・アビリティーズで利用者説明会を開く。初日の4日は午後6時から、5日は同2時、同5時、最終日の6日は午前10時、午後2時の計5回を予定している。

イラストは、「Net119緊急通報システム」の仕組み(クリックで拡大)

■秋季高校野球いわき支部大会 4強出そろう

第72回秋季東北地区高校野球県大会いわき支部大会は3日目の26日、いわきグリーンスタジアムで2回戦が行われ、4強が出そろった。第1試合では、磐城桜が丘が1点を追う最終九回、4点を奪って勿来工業に9―7で勝利。第2試合では、湯本が2試合連続のコールド勝利で平工業に12―0で快勝した。27日は試合は行われず、大会4日目の28日から、同スタジアムで、敗者復活トーナメントが始まる。

<磐城桜が丘 9年ぶり県出場にあと1勝>

8年ぶりの夏2勝を手にした磐城桜が丘。部史に新たな一ページを刻んだ勢いは秋も変わらない。最後の最後まで勝負を諦めず、1点を追う最終九回、試合をひっくり返した。今季から指揮を執る吉井一真監督に初勝利をプレゼントした。「勝ててホッとした」と吉井監督。28歳の若き指揮官は2時間55分に及んだ初陣の緊張からようやく解かれ、教え子の健闘にほおを緩めた。

二回に押し出し四球で先制。三回には今夏も経験した岩並孝展(2年)の適時二塁打や敵失などに乗じ、3点を加え、上々の滑り出しを切った。だがその裏、先発の主戦鈴木陽大(同)が3四死球で二死満塁のピンチで走者一掃の長打を許すと、代わった愛川政弥(同)も踏ん張れず、この回打者12人を送り込まれ、6点を失った。

だが、ベンチには昨年秋までチームの指揮を執った亡き恩師・坂本收司さん=享年(45)=が生前愛用していたピンク色のメガホンが選手たちを見守る。苦しみながらも勝利を勝ち取った。遠藤輝主将(2年)は「夏を経験した選手たちが初めて試合に出る選手を引っ張っていきたい」と3日後の大勝負に向け、気合を入れ直した。

写真は、最終九回についに勝ち越しし、笑顔を見せる磐城桜が丘ナイン=26日(クリックで拡大)

■県内5漁協 来年中の合併視野 根強い反対意見も

市漁業協同組合(市漁協)など本県の5漁業協同組合が令和3年中の合併を視野に入れ、協議の再開に向けて事務局レベルで検討に入ったことが分かった。市漁協をはじめ、各漁協では組合員数確保や経営効率化に伴う経済基盤の強化を目的に「一県一漁協」構想を掲げ、平成29年に合併推進協議会を立ち上げて調整を進めてきたが、組合ごとの財務内容が異なるほか、合併後の理事定数などを巡って協議は中断、現在も見送られている。

関係者によると、合併の協議に向けて再開を検討しているのは、市漁協のほか、小名浜機船底曳網、中之作、江名、相馬双葉各漁業協同組合。本所を中央台飯野の県水産会館に置き、各漁協を支所にするほか、新漁協の役員を最大17人程度とする案が上がっているという。

流れとしては、各漁協の合併後に、県漁業協同組合連合会(県漁連)と県漁業信用基金協会が事業継承する形式となるが、現状では合併推進協議会自体がストップ。事務局レベルでの話し合いにとどまり、一部からは根強い反対意見も上がっているのが現状だ。

■いわきFC 9月6日にホンダロック戦は「入場者限定試合」

日本フットボールリーグ(JFL)は26日、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、Jリーグが「超厳戒態勢」とするガイドラインの運用を9月30日まで延長したことを受け、同26、27日に開催する第22節までの有観客試合に入場制限を設ける、と発表した。

いわきFCが9月6日、21世紀の森公園・いわきグリーンフィールド(常磐水野谷町)にホンダロックSCを迎え撃つ第19節は、入場者限定試合とすることを決定。移動の感染拡大リスクを配慮してアウェイ席を設けないほか、アウェイチームのユニフホームやグッズを着用しての入場、観戦はできない。