2020年8月25日(火)

■市内各地で樹木の伝染病「ナラ枯れ」急増 県・市が情報提供呼び掛ける

体長4・5〜5ミリほどの小さな昆虫カシノナガキクイムシ(カシナガ)が病原菌をナラ類の木に運び込むことで、引き起こされる樹木の伝染病「ナラ枯れ」の被害が、今月に入り市内各地で急激に増えていることが分かった。県によると、昨年は民有林に限り110本ほど、約百立方メートルが確認されたが、今年は数百本級に急増。カシナガが繁殖しやすい大木の増加が要因の一つとして挙げられ、景観、生態系への影響にとどまらず、倒木、水源かん養機能の低下などから土砂災害などにつながる危険性が懸念されている。

県いわき農林事務所森林林業部、市林務課などによると、「ナラ枯れ」はカシナガを介して入り込んだナラ菌が樹木の通水機能を失わせ、1、2週間で急激に葉を赤褐色に変えて枯死させる。平成2年前後から日本海側を中心に目立つようになり、同22年には30都府県で32万5千立方メートルまでに被害が広がった。

全国的に被害量は減少傾向にあるというが、本市では平成30年、田人地区ほかでコナラなど50本ほど、約75立方メートルが初確認されると、昨年は勿来、大久、小川などの中山間部に限らず、平市街地や内郷、錦といった町中でも相次ぎ、ほぼ倍増。今年は2日の梅雨明け後に市民から立て続けに情報が寄せられ、「ひと山で数十本という場所も」というほど被害が目立つ。

県と市で現在調査を進めているが、「民有林に限られるが、全体で数百本はくだらないのではないか」と悲観的だ。県によると、カシナガをそのまま放置すると、5年後に個体数が1万倍に増えるという研究データがある。県と市では警鐘を鳴らしつつ、「現状を把握し注視したい」と市民からの情報提供を呼び掛けている。

写真は、ナラ枯れの特徴でもある樹木周辺の木くず。平市街地でも枯れた広葉樹が目立つ=24日、平字古鍛冶町(クリックで拡大)

■市内の公立小・中 きょう始業式 元気な声再び

市内の公立小・中は25日、夏休みを終え、2学期の始業式を迎えた。このうち錦町鳥居東の錦小(谷中田正校長、児童数364人)にも、久しぶりに子どもたちの元気な声が戻った。同校では新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、クラスごとにテレビによる始業式を行い、谷中田校長が放送室から「一人一人が手洗い・マスクの着用を心がけ、楽しい2学期を過ごしてほしい」と呼びかけた。

同校によると、コロナ禍は学校行事にも支障を来しているが、5月に中止となった運動会が、9月下旬に実施できる方向となっている。市内公立小・中は本年度、新型コロナによる休校から、2学期には9月5、19日に土曜授業を設定。冬休み期間中の12月24日、来年1月7日も授業日としている。

写真は、テレビを通じての話に耳を傾ける錦小の子どもたち=25日(クリックで拡大)

■秋季高校野球支部大会 湯本がいわき総合にコールド勝ち

第72回秋季東北地区高校野球県大会いわき支部大会は大会初日の24日、1回戦2試合が行われ、第1試合では、初回に2点を先行した勿来工業が福島高専に3―4と逆転をした七回裏1死二、三塁から、林星磨(2年)の2点適時打で試合をひっくり返し、5 ― 4 で競り勝った。第2試合では、湯本がいわき総合に10―0の六回コールドで快勝。湯本は先発全員安打を達成し、10得点。守っては、吉田翔(2年)、鈴木結人(同)の零封リレーと攻守で圧倒し、2回戦に駒を進めた。

今夏、白河の地で悔し涙を流した主力の2年生が顔をそろえる湯本が攻守で圧倒。2桁の15安打を放ち、いわき総合に10―0の六回コールドで勝利し、2回戦に名乗りを上げた。小野裕久監督は「夏から出ているメンバーを中心に、打撃練習を行った成果が出た」と教え子の成長を称えた。

秋の戦いは勝ちにこだわる。敵失に乗じて1点リードの三回、先頭の沼倉伶桜(2年)が左前安打を放ち、死球と犠打で1死二、三塁の好機で打席に入った安斎優輝(同)がど真ん中のまっすぐを強振。打球は右中間を深々と破り、走者を一掃した。安斎は「いいところに飛んでくれてよかった」と会心の笑顔。なおも攻撃の手を緩めず、この回、打者10人を送り込み、一挙6得点を奪い、試合の主導権を握った。

写真は、三回に2点適時三塁打を放つ湯本の安斎=24日(クリックで拡大)

■平・バッグ強奪事件きょう1週間 いわき中央署 犯人の行方追う

市内に住む20歳代の女性看護師が18日午後10時20分ごろ、同市平市街地の路上で、背後から何者かにショルダーバッグを強奪された事件は、25日で1週間を迎えた。発生場所は平字大工町のコンビニ裏の市道とみられ、いわき中央署では路上強盗とみて、引き続き現場近くの防犯カメラなどを調べるとともに聞き込みや検問をするなどし、逃げた犯人の行方を追っている。

これまでの調べで、女性は1人で帰宅途中に背後から近づいてきた何者かに背後から羽交い絞めにされ、ショルダーバッグを奪われた。捜査関係者などによると、女性は一時気を失ったもののけがはなく、バッグには財布に現金数千円などが入っていた。女性が気絶したため犯人の特徴や逃走方向などは分かっていないという。